今回は、新型コロナウイルスに感染した小児171例の研究結果を紹介させていただきます。
武漢の小児病院からの報告で、非常に重要でしょう。
- 新型コロナウイルス感染症の確定171例の分析
- ICU入室が必要だったのは1.8%、死亡例は0.5%(1例)
- 発熱、咳、咽頭発赤が多い症状
感染者の推移 (3/22):
- 世界:285,483人
- 中国:81,054人
- 日本:1037人
- アメリカ:19,624人
- 韓国:8897人
- イタリア:53,578人
- イラン:20,610人
イタリアとアメリカがすごい勢いで増えていいます。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツが18,000名前後、スペインが25,000名くらいに増加しています。
小児の大規模調査について
新しい小児の大規模調査を発見したので、簡単にまとめようと思います。
概要
今回は、新型コロナウイルスのPCR検査をうけた1391名の小児のうち、陽性が確定した171名の研究です。
年齢分布
まずは年齢の分布から見ていきましょう。
N | % | |
年齢 | ||
< 1 | 31 | 18.1% |
1-5 | 40 | 23.4% |
6-10 | 58 | 33.9% |
11-15 | 42 | 24.6% |
どの年齢層にも変わらずいますね。
症状・診断に関して
症状・診断に関して
N | % | |
無症状 | 27 | 15.8% |
上気道炎 | 33 | 19.3% |
肺炎 | 111 | 64.9% |
無症状のケースが15%、かぜ症状が20%、肺炎が残り65%のようです。
症状に関しては、以下の通りでした:
症状 | N | % |
咳 | 83 | 48.5% |
咽頭発赤 | 79 | 46.2% |
発熱 | 71 | 41.5% |
発熱期間 | 3日 | 1-16 |
< 37.5度 | 100 | 58.5% |
37.5-38.0度 | 16 | 9.4% |
38.1-39.0度 | 39 | 22.8% |
> 39.0度 | 16 | 9.4% |
下痢 | 15 | 8.8% |
倦怠感 | 13 | 7.6% |
鼻汁 | 13 | 7.6% |
嘔吐 | 11 | 6.4% |
鼻閉 | 9 | 5.3% |
SpO2 < 92% | 4 | 2.3% |
発熱、咳、咽頭の発赤といった風邪症状が多い印象ですね。時に下痢を認めることもあるようです。
CT所見
CT所見は以下の通りでした:
CT所見 | N | % |
すりガラス陰影 | 56 | 32.7% |
局所的な斑状影 | 32 | 18.7% |
両側性の斑状影 | 21 | 12.3% |
間質性陰影 | 2 | 1.2% |
こちらも既報と似ていて、すりガラス陰影が多いようですね。
重症例・死亡例について
ICU入室が必要だったのは、3例のようです。合併症があったようで、
- 水腎症
- 白血病
- 腸重積
だったようです。
腸重積のあった小児は、多臓器不全となり、入院後4週間で死亡したようです。
感想と考察
大きめのデータなので、小児における全体像がつかみやすかったです。
入院した小児で、酸素需要があったのは2.3%、ICU入室となったのが1.8%、死亡例が0.6%でした。
最重症となる例は、割合としては、成人と比較して多くはない印象です。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 小児の171例の解析結果
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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