今回は、新型コロナウイルスに感染した妊婦の症例報告を紹介させていただきます。
新型コロナウイルスに感染した妊婦から出生した小児の症例。
出生後36時間後に、PCR陽性となった症例の検討A case report of neonatal COVID-19 infection in China.
https://t.co/h0Yb8ApgTP— Dr. KID (@Dr_KID_) March 23, 2020
新型コロナウイルスに感染した妊婦から出生した小児の症例。
出生後36時間後に、PCR陽性となった症例の検討
A case report of neonatal COVID-19 infection in China.
非常に多くのリツイートをいただきましたので、ブログ記事にしました。
- 新型コロナウイルスに感染した妊娠40週の妊婦
- 出生36時間後に新生児はPCR陽性が判明
- 胎盤・臍帯血・母乳からはウイルスは検出なし
妊婦の感染例の報告について
新しい妊婦の感染例を発見したので、簡単にまとめようと思います。
概要
2019年12月、中国でSARS-CoV-2による2019年新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が出現し、現在では多くの国で流行しています。
現時点では情報は少なく、はっきりしない点も多いですが、一般に妊婦はCOVID-19を含む感染症の影響を受けやすい集団であり、合併症を発症する可能性が高く、重症化する可能性すらあります。
中国で新生児COVID-19感染症が発生し,生後36時間後に咽頭スワブがrRT-PCR法で陽性となった症例を報告した.しかし,本症例が母子感染であるかどうかは確認されていません。
母の情報
母は34歳、甲状腺機能低下症以外の基礎疾患はないようです。
妊娠40週で発熱し、CTですりがらす陰影を認めたため、新型コロナウイルスのPCRを確認し、陽性と判明したようです。
38度前後の発熱のため、帝王切開を行なったようです。
その後の経過は安定していたようです。
新生児の情報
母は帝王切開中もN95マスクをつけた状態で出生しました。
Apgarスコアは8/9点で出生。特に大きな異常はなかったようですが、出生36時間後に新型コロナウイルス陽性が判明しています。
母乳・胎盤・臍帯血からは新型コロナウイルスは検出されなかったようです。
新生児は2週間ほど経過観察入院し、その後に無事退院できたようです。
感想と考察
出生後36時間での感染は、これまでの報告で最短の気がします。
一方で、垂直感染かは、胎盤・臍帯血が陰性であり、はっきりとはわからない現状です。また、母乳からも検出はされていません。
流行期ですので、院内感染の可能性もありえますし、ひょっとしたらマスクなどの装着が不十分で、母子感染もありえると思います。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 新型コロナウイルスに感染した妊婦と新生児
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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