小児において、新型コロナウイルス(2019-nCoV)がいつまで排泄されるかは非常に重要です。
昨日、Twitterで以下のツイートをしたら、いろんな方が反応してくれましたね。
生後6ヶ月の乳児が新型コロナウイルスに感染。
ほぼ無症状ではあったが、16日間に渡り、咽頭スワブからウイルスは検出され続けていたとのこと。A Well Infant with Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) with High Viral Load. https://t.co/l6beVNi3fD
— Dr. KID (@Dr_KID_) March 1, 2020
今回は、生後6ヶ月の乳児が新型コロナウイルスに感染した症例報告を簡単に解説していこうと思います。
ほぼ無症状ではあったが、16日間に渡り、咽頭スワブからウイルスは検出され続けていたとのことです。
- 生後6ヶ月で新型コロナウイルスに感染した症例
感染者の推移 (3/2):
- 世界:88,789人
- 中国:80,026人
- 日本:257人
- 韓国:4212人
- イタリア:1694人
韓国で感染者数が4,000人を超えたという報告も出ているようです。シンガポールは90人、イタリアが1,500人を超えています。
現在はアメリカは日本に対してレベル2「高齢者や慢性疾患のある人は、不要な渡航を控え、延期するよう推奨」の設定のようです。
韓国に対しては、さらにレベル3に引き上げられています。
新型コロナウイルスに感染した乳児の報告
今回は、NEJMから報告された新型コロナウイルス感染(COVID-19)の報告を見ていきましょう。
シンガポールからの報告になりますが、6ヶ月の乳児の感染例の報告です。
概要
シンガポールの家族内感染の症例です。
6ヶ月小児が入院となる7日前に、母が仕事で中国人の観光客と接触があったようです。同日より発熱・咽頭痛があり、胸部レントゲンでは左下肺野に浸潤影があり、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が疑われたようです。入院前日にPCRが陽性となりました。
また、この小児の父も、小児の入院3日前から咽頭痛と発熱があり、入院前日にPCR陽性となったようです。
両親とも入院し隔離・経過観察となったため、症状はないもののこの6ヶ月の小児も経過観察入院になったようです。特に症状もなく、異常所見もなかったようです。
成人のデータは、医師も沢山報告しているので、まずは小児の症例を見てみましょう。
入院初日に、鼻咽頭のぬぐい液で、PCR陽性が出ているようです。
入院翌日には、血液からもPCRが陽性となり、ウイルス血症と判断されたようです。一方で、排尿や便のサンプルは陰性だったようです。同日に、1時間だけ38.5℃の発熱となったようですが、すぐに解熱し、その後も症状はなかったようです。
その後、鼻咽頭ぬぐい液を採取してPCR検査を繰り返したようですが、入院17日にようやく陰性となったようです。
経過を表に
少し長い経過なので、表にしてみましょう。
経過 | 内容 |
入院7日前 | 観光客と接触 →発熱・咽頭痛(母) |
入院3日前 | 発熱・咽頭痛(父) |
入院1日前 | 父母がCOVID-19と診断 |
入院当日 | 本人もPCR陽性 |
入院2日目 | 一時的に発熱 ウイルス血症 |
入院9日目 | 便もPCR陽性 |
入院17日目 | PCR陰性に |
2週間異常に渡り、PCRが検出されていたようですね。その割に、症状はほとんどなかったようですね。
感想と考察
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、まだ情報が足りていない印象です。
現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 6ヶ月乳児の報告
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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