新型コロナウイルス

小児のCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の情報(3月4日版)

小児において、新型コロナウイルス(2019-nCoV)がいつまで排泄されるか気になっている方も多いでしょう。

今回は、症例集積研究のご紹介で、軽症であった小児において、ウイルスがどの程度排泄されていたかを検討した研究の解説をしようと思います。

 

ほぼ無症状ではあったが、16日間に渡り、咽頭スワブからウイルスは検出され続けていたとのことです。

ポイント

  •  上海からの小児10例の報告
  •  かぜ症状がメインで重症なし
  •  鼻咽頭からは1〜3週間、便からは1ヶ月ほどウイルスが検出
マミー
マミー
新型コロナウイルスに感染すると、どのくらいウイルスは排泄されるのですか?

Dr.KID
Dr.KID
今回は上海からの報告を見つけたので、そちらを見ていきましょう。

感染者の推移 (3/3):

  •  世界:90,705人
  •  中国:80,151人
  •  日本:275人
  •  韓国:4812人
  •  イタリア:2036人

韓国で感染者数が4,500人を超えたという報告も出ているようです。シンガポールは100人、イタリアが2,000人を超えています。 

  新型コロナウイルスの排泄期間の報告

今回は、Clinical infectious diseaseという感染症の英文誌から報告された新型コロナウイルス感染(COVID-19)の症例集積を見ていきましょう。

上海からの報告になりますが、小児の感染10例の報告です。

 概要

1月19〜2月3日の間に新型コロナウイルス(2019-nCoV)の感染が確定し、上海の小児病院に入院した小児の症例集積となります。

感染の経路は?

8割の小児は、新型コロナウイルス感染のある成人との接触歴があったようです。

潜伏期間は?

小児のほとんどは感染した成人からの二次感染だったようです。感染者に接触してから発症するまでの期間は、2〜10日(平均6.5日)くらいだったようです。

症状は?

症状のまとめは以下の通りです:

症状 %
発熱 80%
発熱期間 1日
60%
くしゃみ 20%
鼻閉 30%
鼻汁 20%
咽頭痛 40%
呼吸苦 0%
下痢 0%

レントゲンは?

レントゲンは40%で異常を認めたようです。

ウイルスの排泄は?

気になるウイルスの排泄期間ですが、以下の通りでした

検体  
陽性例
鼻腔・咽頭
10/10
期間 8〜22日
陽性例
便
5/6
期間 10〜30日以上

尿と血液はいずれも陰性だったようです。

Dr.KID
Dr.KID
結構、長い期間にわたり、検出されているようですね。

 感想と考察

10人の小児感染例における症例集積ですが、幸い誰も重症化はしなかったようです。また、貴重な臨床データを提示してくれています。

ウイルスの排泄期間は、思いの外長いですね。鼻咽頭で陽性が出た期間は、長い3週間ほど、便に関しては1ヶ月近く排泄が続いていたようですね。感染を広げないという観点からは、インフルエンザなどのように症状が軽快しても、一定期間は接触を避ける必要がありそうです。国内外を含め、多くの機関や病院は2週間を目処にしていますが、小児でどうするかの議論も必要かもしれません。

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、まだ情報が足りていない印象です。

現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:

Dr.KID
Dr.KID
本日の症例集積を加えました。

まとめ

今回は、

  •  中国と日本の感染者数の推移
  •  上海からの小児10例の症例集積

についてアップデートさせていただきました。こちらの症例集積には、新型コロナウイルス感染後のウイルスが検出される期間の報告が記載されていました。

引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。

森戸やすみ先生が新しい書籍を出すようですね↓↓

created by Rinker
内外出版社
¥1,449
(2024/12/04 01:37:08時点 Amazon調べ-詳細)

ホームケア解説本はこちら↓↓

当ブログの注意点について

Dr.KID
Dr.KID
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

Dr.KID
Dr.KID
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

Dr.KID
Dr.KID
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。