今回は、中国からの報告例で、妊娠中の女性が新型ウイルスに感染した場合の経過が詳細に記載されていました。
結論から言うと、早産で帝王切開をする必要が出てしまったようですが、新生児に感染することなく、さらに母親の方も悪化することなく無事経過したようです。
- 新型コロナウイルスに感染した妊娠中の女性
- 帝王切開・早産で出生
- 新生児には感染なし
感染者の推移 (3/6):
- 世界:97,844人
- 中国:80,552人
- 日本:360人
- 韓国:6284人
- イタリア:3858人
- イラン:3513人
イランがすごい勢いで増えていますね。気づけば、ヨーロッパの国々も増加傾向にあります。ドイツ・フランス・スペインが400名以上に増加しています。陸続きで、鉄道網なども発達しているので、拡大も早いかもしれないですね。
妊婦と新型コロナウイルス
今回は、Clinical Infectious Diseaseという英文の感染症の雑誌で報告された、妊婦と新生児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のを解説していきます。
概要
28歳女性、妊娠30週で間歇的な発熱が1週間あり、医療機関に受診した。武漢への旅行歴あり。
RT-PCRで新型コロナウイルス(2019-nCoV)が検出され、CTではすりガラス影を認めた。経過観察のため、入院となった。
入院3日目に、胎動が減り、胎児心拍の変動が消失したため、緊急帝王切開を行なった。
胎児は、出生体重1.83 kg、アプガースコアは9点(1分)、10点(5分)で出生した。母乳は与えず、人工乳での栄養とした。
羊水、臍帯血、胃液、咽頭のぬぐい液をRT-PCRで検査をしたが、すべて陰性であった。
出生後、母子ともに健康上の大きな問題はなく過ごせているよう。
感想と考察
1例報告ですが、早産+帝王切開の報告は初めて見た気がします。以前、正期産のコロナウイルス感染症例の報告もありましたが、こちらでも垂直感染はなかったようです。
こちらの報告では、母乳からもウイルスは検出されなかったという結果でした。
今回の報告では、より慎重に人工乳の投与にしているようですね。この辺りは医療者でも少し意見が変わるかもしれません。
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が騒動になって1ヶ月以上になりますが、小児に関しては、徐々に情報が増えてきた印象です。現時点で分かっていることをまとめると、以下の通りです:
まとめ
今回は、
- 中国と日本の感染者数の推移
- 妊娠30週で新型コロナウイルスに感染した症例
についてアップデートさせていただきました。
引き続き、新しい情報、過去の文献を読み込んだら、報告させてもらおうと思います。
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