科学的根拠のある子育て・育児

トイレトレーニング方法 [Early Elimination Methodについて]

トイトレの方法の1つに「Early Elimination Method」というのがあるようです。

その名の通り、早期にトイトレを開始する方法で、おそらく古い方法と思うのですが、かなり問題点がありそうなので、個人的には推奨しない方法です。

この方法の目的

1歳では、子供は

  • 排泄をコントロール
  • 歩行
  • 簡単な要求を言葉にすること

が期待される。

と考案者らは考えているようです。ですが、実際に1歳では排泄コントロールは難しく、要求を言葉にするのが難しい小児もかなり多いです。前提からやや無理な状況なので、以下の手順は「こういうやり方があったのか…」くらいに見ておくと良いでしょう。

Dr.KID
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過去の方法は、厳格にやりすぎな方法が多いです。

トイトレの方法

具体的な方法をここに列挙します(推奨ではありません):

  1.  トイトレは2〜3週から始める
  2.  哺乳語など子供が排泄が必要と感じた時、母親と一緒に(膝の上など)座らせる
    (しかも、なぜか屋外でと書かれている)
  3.  体を支え流れ便器に一緒に座り、母が「シュー」という声を出す。このことで、排尿とトイレを関連付けさせる
  4.  もし排尿したら、子供を褒めてあげる
  5.  これを繰り返すことで、4〜5ヶ月には「排尿をしたい」とコミュニケーション可能となると予想される
  6.  排便に関しては、母は膝を曲げて座り、乳児は母の方を向いて母の下肢で支えらレ、母の足の上にある。もしこの状態で排便したら、褒めてあげる。
  7.  一連の行為で、母親は乳児の動作、皮膚や筋肉の緊張を読み取ることが求められている。また、排尿や排便をしたいとき、しかめっ面をしたり、呻き声を出したりする癖を読み取ることが必要
  8.  失敗はつきもので、気にすることはなく、すぐに綺麗にすれば良いだけのこと
  9.  1歳を過ぎたら、生活区域や庭で排泄するのは望ましくないと考える
Dr.KID
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あまりにひどいやり方で、過去にこういう方法があったのかと考えると、辛いですね。

 感想と考察

この「Early Elimination Method」ですが、問題だらけです。

まず、生後2〜3週からトイトレと書いてありますが、新生児を危険な体位にする可能性があります。
また、4〜5ヶ月には排泄の意志を伝えられる、など、発達の面から考えづらい内容になっています。

さらに「母親が子供の表情、皮膚や筋肉の緊張から排泄を読み取る」など、書かれています。千差万別のお子さんなので、皆さんが読み取れるわけではないでしょうし、それが悪いことだとは私は思いません。

原文中には「罰を与える」「警告する」といったネガティブな用語も書かれています。厳しすぎるトイトレ、発達の成熟に見合っていないトイトレは、虐待のきっかけにもなり得ますので、そういった視点からもこの方法を支持することはできません。

まとめ

今回は「Early Elimination Method」というトイトレ方法を解説してみました。

古典的なやり方で、問題点が非常に多い方法ですので、個人的には全く推奨できないです。

 

 

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このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。