感染症

アタマジラミ寄生症について解説します

アタマジラミ寄生症って何ですか?

アタマジラミ寄生症は、『アタマジラミ』という虫への感染症のことをいい、世界中で流行しています。
幼児・学童で多いため、幼稚園・保育園・小学校で集団発生することが、しばしばあります。

Dr.KID
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いわゆる「シラミ」ですね!

アタマジラミの原因について

 

原因はグロテスクな虫です
この成虫は、正式には『Pediculus capitis(アタマジラミ)』という学名がついています。

体調は3mm〜4mm程度と小さいですが、目でギリギリ見ることができます。

この成虫は、1日当たり3個〜4個の卵を産みます。
卵は1週間で孵化し、2週間で成虫となるため、放置すると、どんどん数が増えていきます。

アタマジラミの症状を教えてください

アタマジラミは痒みが強いです

アタマジラミの特徴は、なんと言っても、非常に強い掻痒感 (かゆみ) でしょう。

アタマジラミに罹ったのに気づくのも、『頭がかゆい』といって気づかれることがほとんどです。

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頭皮の二次感染に注意

痒みが強いため、頭を強く掻きむしってしまい、頭皮が傷ついてしまうことがあります。
傷ついた皮膚に、別の細菌が感染することがあります(二次感染)。
二次感染をすると、皮膚炎を起こすことがあります。
頭皮を傷つけないよう、お子さんの爪を短く切っておくとよいでしょう。

 アタマジラミの診断

アタマジラミは見た目ですぐに分かるので、特別な検査は不要です。
髪と頭皮をくまなく観察して、シラミの卵を探します。

 

、毛根から1〜2cmくらいの場所に、白っぽい塊(シラミの卵)が付着していれば、おそらくシラミでしょう。

頭皮のフケと迷うことがあるかもしれませんが、フケは簡単にとれますが、シラミの卵は髪の毛に強く付着しているため、容易に取れなません。

Dr.KID
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簡単に取れないのが特徴で、フケとの区別に役立ちます。

アタマジラミの治療法

スミスリン・シャンプー

一番メジャーな治療は、スミスリン・シャンプーでしょう。
このシャンプーには、シラミの駆除にとても優れた成分が入っており、効率的にシラミの成虫・幼虫を効果的に退治できます。

シャンプーの使用方法は:

  1. 髪の毛をぬるま湯で濡らす
  2. スミスリンシャンプーを10〜20mlをとる
  3. 髪・頭皮をまんべんなくシャンプーする
  4. 5分くらい放置する
  5. しっかりと洗い流す

の順に行います。

スミスリンを使用した洗髪は、毎日やる必要はありません。

3日に1回はスミスリンを使って洗髪し、3回〜4回程度くりかえすと、シラミが駆除されます。
治療がうまくいけば、およそ2週間でアタマジラミを退治できます。

また、家族内感染を防ぐため、スミスリン・シャンプーは家族全員行いましょう。

スミスリン・シャンプーの注意点と欠点

使用上の注意点として、頭に傷があったり、湿疹がある場合、スミスリン・シャンプーがしみることもあるため、慎重に使用しましょう。

また、このシャンプーへのアレルギー体質の方は使用できません。

このシャンプーの欠点は、『アタマジラミの卵には効かない』ことでしょう。
アタマジラミの幼虫・成虫のみに有効なので、卵から孵化したタイミングを狙って使用する必要があります。

通常、アタマジラミの卵は3日くらいで孵化するため、シャンプーも3日程度の間隔で、3回〜4回くらい使い続けるのです。

最近、沖縄では耐性化が進んでおり、かなり効きづらいそうです。

アタマジラミの専用櫛を使う

 アタマジラミ専用の櫛を使用すると良いでしょう。
この櫛は、目が細かく、櫛の長さが長く、成虫やシラミの卵を駆除しやすいように設計さあれています。

この櫛で直に髪をとくと、引っ張りすぎて痛がったり、髪が抜けてしまうこともあるので、トリートメントなどをつけて、髪の滑りを良くすると、スムーズにできます。

トリートメントでなく、椿油を使う方もいるようです。

 

家族内感染や再発を予防しましょう

家族内感染を予防するため、 タオル・帽子・ヘルメットなど、頭の触れるものの共有はやめましょう。

衣類・寝具にアタマシラミが寄生していることがあるためです。

衣類・寝具・帽子などは、55℃以上のお湯に最低10分ほど浸すとよいでしょう。
アタマジラミは熱に弱いので、お湯につけるだけで死滅してくれます。

アタマジラミは髪から落ちても、数日間は生息しています。 
絨毯や畳などに寄生するケースもあるので、掃除をマメにするよう心がけましょう。

Dr.KID
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アタマシラミは熱に弱いので、お湯に浸したり、乾燥機で死滅させると良いでしょう。

どうしても治らない場合

アタマジラミがどうしても治らない、再発を繰り返してしまう場合、最終手段として髪の毛を短くするのが良いでしょう(特に男の子の場合)。

髪が短ければ、シラミは頭に生息できなくなるためです。

 

Dr.KID
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これは最終手段ですね……

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。