以前、便秘について、こちらに詳しく記載しましたが、外来で便秘の治療を開始する時に一番多い質問が『便秘の薬ってクセになりませんか?』です。
今回は、この質問に答えてみようと思います。
便秘は珍しい病気ではない
こどもが便秘と聞くと、少々驚かれる方もいますが、小児の便秘自体は全然珍しくなく、日常的によく診ます。
おおよそですが、10人に1人くらいは便秘ではないかと考えられています。
便秘になるメカニズム
便秘の原因は様々ですが、ストレス・生活習慣・水分摂取などが原因で、便が直腸(うんちの出口)に溜まることで起こります。
端的にいうと:
- 直腸に便が溜まる
- 便意(排便したいという感覚)がなくなる
- 便が直腸で放置される
- 便の水分が吸収され硬くなる
- さらに便が溜まる
を繰り返している状態をいいます。
便秘の薬は、正しく使用すれば癖にならない
便秘の薬は正しく使用すれば癖にはなりません。
癖になっているのは、便が腸に溜まる習慣のことで、便秘の薬が原因で便が溜まることはまずないでしょう。
大事なことは、適切な治療をして、悪循環を断ち切ってあげることです。
便秘の治療について
詳しくはこちらに記載していますが、便秘の治療は:
- 生活習慣・食事・運動・水分の改善
- 浣腸の指導
- 便を柔らかくする薬の使用
をします。
浣腸はいつ使いますか?
浣腸は、便が慢性的に溜まっている場合、排便するきっかけになりますので、特に便秘の初期に使うことが多いです。
腸の出口に詰まった栓を取り除いてあげて、便の通りをよくしてあげるイメージで使用しています。
浣腸で硬い便が出てしまえば、あとは飲み薬や生活習慣の指導で改善することも多いです。
治療に時間はかかりますよ
便秘は普段の生活などの積み重ねで起こります。
ですので、治療には少し時間がかかります。
しっかり治るのに早くても数ヶ月〜半年かかることは多いです。
ですので、焦らずに気長に治療していきましょう。
中途半端にやめてしまったり、自己判断で中断すると、根本的には便秘は治っていないため、再発してしまいます。
すると、便秘の治療が再度必要になるため「癖になる」と感じているのかもしれません。
まとめ
便秘の薬を使っても癖にはなりませんので、しっかりと便秘の治療をしましょう。
便秘は習慣的になってしまっているので、軽快するには時間がかかります。
中途半端に治療すると、結局、また便秘の薬が必要になるため「癖になる」と感じてしまうかもしれませんが、根本的には便秘が治っていなかったのです。