- 『熱が下がったら登園・登校してよいですか?』
- 『登園・登校の目安を教えてください』
と外来で質問されることが多いです。
確かに、いつから登園・登校してよいか、はかなり曖昧です。
今回は、こちらの質問に私なりにお答えしてみようと思います。
解熱 ≠ 病気が治った
解熱すると病気が治ったように思われるかもしれませんが、そうとも限りません。
確かに解熱するのは病気が軽快傾向になっていることが多いですが、一時的に解熱するケースは多々あります。
熱はアップ・ダウンするものです
発熱後も体温はアップ・ダウンするものです。
例えば、夜に発熱しても、しっかりと寝て体を休めた場合、朝は体温が下がっていることはよくあります。
ですが、午後にまた発熱してしまうこともよくあるでしょう。
解熱後も丸一日(24時間)くらいは自宅安静を
熱は上がったり・下がったりしますから、体温計で36℃台に下がっても、焦らず自宅でゆっくり過ごしましょう。
しっかりと解熱したか24時間くらいは確認して、その後に登園・登校を考えるとよいでしょう。
食事・水分や本人の体力も参考に
解熱しても、まだ食事や水分をしっかり摂れなければ、もう少し自宅で様子をみてもよいでしょう。
学校や保育園・幼稚園での生活は、授業を受けるだけでも体力をかなり消耗します。
ですので、体温だけでなく、全体的な体調も基準に入れてあげると良いでしょう。
出席停止が決められている疾患もあります
風邪など通常の感染症であれば、上に書いた対応で十分ですが、周囲への感染を考慮して出席停止となる疾患もあります。
代表的なのは;
- インフルエンザ
- 咽頭結膜熱(プール熱)
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
- 水痘(みずぼうそう)
- 麻疹(はしか)
- 風疹
です。以下は学校保健安全法などで定められた出席日数です。
(一部、平易な言葉に書きかえています)
インフルエンザ
インフルエンザの場合、乳幼児が学童かで異なり;
- 乳幼児の場合:発症後5日以上 + 解熱後3日以上経過
- 学童の場合: 発症後5日以上 + 解熱後2日以上経過
となっています。
咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱(プール熱)の症状が消退した後、2日を経過するまで
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
おたふくかぜを発症した後、5日を経過して、全身状態が良好になるまで
水痘(みずぼうそう)
すべての発疹が痂皮化(かさぶたになる)まで
麻疹(はしか)
解熱した後、3日を経過するまで
風疹
発疹が消失するまで
まとめ
解熱しても丸一日は自宅安静をしたほうがよいでしょう。
解熱して、水分・食事摂取ができ、体力がある程度戻ってきたら登園・登校はできます。
インフルエンザやプール熱、みずぼうそうなど一部の疾患は『出席停止』になりますので、周りのこどもに感染させないためにも注意しましょう。
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