『こどもの姿勢が悪くて心配です』と時々、外来で相談されます。
今回は、こどもの姿勢(特に猫背)について説明していきます。
後弯 = 猫背(ねこぜ)
背骨が前後方向で過度に曲がっている状態を後弯(kyphosis)といいます。
後弯を平たくいうと猫背のことです。
ヒトの背骨は正常でも緩やかなS字状ですが、後弯ではその曲がりがひどい場合をいいます。
後弯の原因について
後弯の原因は大きく3つに分かれて;
- 先天性:生まれつき曲がっている
- 姿勢による影響
- Scheuermann (ショイエルマン)病
です。
姿勢による後弯について
最も多いのが姿勢による後弯です。
これは背骨を真っ直ぐにして立たなかったり、前かがみで歩くのを続けることで起こります。
小児では10代の女児に多く、その後も後弯が続いている方もいます。
Scheuermann (ショイエルマン)病について
Scheuermann病は、背骨の変形で起こります。
通常は背骨を横から見ると四角い形をしていますが、何らかの原因で前方がつぶれて台形になってしまった状態をScheuermann (ショイエルマン)病といいます。
症状について
症状も個人差があり;
- 無症状
- 猫背が気になる(見た目)
- 肩こり、首がこる
- 背中に痛みを感じる
などです。
検査について
身体診察(見た目)で判断可能です。
レントゲンを撮影して、実際にどの程度曲がっているか、背骨そのものに異常がないかをみます。
治療について
治療は後弯の原因と、重症度によって異なります。
例えば、先天性の場合は手術が必要になるケースもあります。
姿勢による後弯の場合
特別な治療が必要になるケースは少なく、ストレッチや背筋のトレーニングをして様子をみることが多いです。
Scheuermann病について
こちらもストレッチや背筋のトレーニングをします。
痛みが強ければ痛み止めをしたり、矯正ベルトを使用します。
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