前回はω-3 脂肪酸とタンパク質不足をテーマに記載してきました。
鉄分は肉に多く含まれるため、菜食主義をすると不足しやすくなります。
特に子供は体が大きくなるため、鉄分もより多く必要となります。
今回は鉄分不足について解説していこうと思います。
鉄分不足について
まず、子供が1日に必要な鉄分量について説明していきましょう。
こどもが1日に必要な鉄分の量
- 1〜3歳:7 mg
- 4〜8歳:10 mg
- 9〜13歳:8 mg
- 14〜18歳(男):11 mg
- 14〜18歳(女):15 mg
- 10代の妊娠:27 mg
が1日に必要な鉄分摂取量と言われています。
鉄分不足と貧血について
鉄分が不足すると貧血になります。
貧血とは「酸素を全身に送るのに必要なヘモグロビンの量が足りない」状態をいいます。
貧血になると、怠さや息切れ、集中力低下などの症状が出ることがあります。
貧血以外の健康上の問題について
鉄分が不足すると、貧血以外にも:
- 体の成長が遅くなる
- 学習や運動機能が低下する
- 学校で問題行動が出る
- 免疫力が低下する
といわれています。
菜食主義と鉄欠乏の割合
例えばマクロビオティックをしている場合、25%くらいの割合で鉄分摂取が不足しているといわれています。
菜食主義の子供の44%は鉄分の摂取不足で、9%はヘモグロビンの値が低下し貧血となっていたと言われています。
*注:海外の研究ですので、食文化の異なる日本での一般化はやや難しいかもしれません。
鉄分 = ヘム鉄 + 非ヘム鉄
鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄に分かれます。
ヘム鉄について
ヘム鉄は主に肉から摂取される鉄分です。
腸からの吸収率が非常によいのが特徴ですが、菜食主義の方は肉は摂取しないため、他の栄養から摂取する必要があります。
非ヘム鉄について
非ヘム鉄は主にホウレンソウなど野菜、ドライフルーツ、大豆製品から摂取できる鉄分をいいます。
ヘム鉄と比べて腸からの吸収率があまりよくありません。
鉄分の吸収を助ける食べ物
菜食主義の場合、鉄分は非ヘム鉄がメインになるため、鉄分の吸収を助ける食品を一緒に摂るとよいと思います。具体的には;
- 柑橘類
- ストローベリー
- ブロッコリー
などはビタミンCが多く、鉄分の吸収を助けてくれます。
鉄分の吸収を妨げる食品
逆に鉄分の吸収を妨げる食品もあります。
例えば、ライ麦、ナッツ類、ポリフェノールを含む飲み物(紅茶やコーヒーなど)、カルシウムなどが該当します。
これらの食品を全く取っていけないわけでなく、あくまで3度の食事の時は避けた方がよいでしょう。
まとめ
菜食主義の場合、鉄分不足になる危険性があります。
特に子供は体の成長・発達に鉄分が欠かせません。
鉄分の吸収を助ける食品を組み合わせ、吸収を妨げるものを避けることで、鉄分不足避けることができます。
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