はじめに:夢遊病とは?
夢遊病とは「本人は眠っているのに、歩いたり、話したりする」状態をいいます。
夢遊病は子供に多いので、時々、保護者の方が驚いて受診されることがあります。
ですが、ほとんどのケースで治療は必要なく、成長とともに消失します。
夢遊病の症状について
▪️ 夢遊病が起こりやすい時間はありますか?
夢遊病は、夜の前半に起こりやすいと言われています。
子供は寝たけれど、両親は起きていて、急に寝室から歩いてきたけれど、声をかけても反応しなかった、というケースが多いです。
夢遊病は短いと数分でおさまりますが、20〜30分ほど続くこともあります。
▪️ 夢遊病でよくみる症状
夢遊病でよくみる症状は;
- はう、歩く、走る
- しゃべる
- 衣類を着ようとする
- 家から出ようとする
です。
保護者が話しかけても、本人は夢の中にいるので、反応はしてくれません。
夢遊病になったら検査は必要でしょうか?
基本的に検査はしなくてもよいことが多いですが;
- いびきがひどい
- 夜尿症がある
- 一晩で何度も夢遊病の症状を起こす
- けいれんのような症状があった
場合などは検査の適応になります。
夢遊病の対処法を教えてください
▪️ 事故予防が大事
本人は意識がないまま歩いたり、行動するため思わぬ事故につながります。
- 窓を閉める・ドアを閉める
- 2段ベッドの上やロフトには寝かさない
- 割れ物・鋭利なものは棚にしまう
- 階段にたどり着けないように工夫する
- 転倒しないよう、床に物を置かない
など、家庭内で怪我をしないようにしっかり予防する必要があります。
▪️ 無理にでも起こした方がよいでしょうか?
一般的に無理に起こす必要はないですし、押さえつけてベッドに戻すこともしないほうが良いでしょう。
寝ていた場所に戻るように、声かけをしたり、体を軽く支えながら、戻ってほしい場所に促すとよいでしょう。
▪️ 大半は治療はいりません
頻繁に起こることは少ないので、多くの場合は治療が不要です。
ですが、毎晩のように夢遊病を起こしている場合は、内服薬を処方したり、夜の決まった時間に数分だけ起こす方法を指導したりすることもあります。
夢遊病の予防方法はありますか?
夢遊病は、睡眠不足であったり、発熱時など体調を崩したり、ストレスが溜まっている時に起こりやすいです。
▪️ しっかりと睡眠はとりましょう
しっかりと睡眠がとれているか確認をします。具体的には;
- 3〜5歳:10〜13時間
- 6〜9歳:9〜12時間
- 10代:8〜10時間
くらい眠れているか、確認をします。
▪️ 寝つきが悪いケース
寝つきが悪いお子さんが夢遊病を起こすケースも多々あります。
このような場合は;
- 入眠時間と起床時間を決めてルーチンにする
- 寝る前はゆったりと過ごす
- 静かで暗い部屋で寝る
- 寝室にテレビは置かない
などを指導しています。
まとめ
お子さんが夢遊病になってしまったら、まずは自宅環境を整えて、怪我や事故がないように注意しましょう。
検査や治療の目安を上に書きましたが、ご心配でしたら一度、小児科でもご相談ください。
予防方法もいくつか載せましたので、実践してみてみると良いでしょう。
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