てんかんって何ですか?
てんかんは、けいれんを繰り返す状態を言います。
けいれんは、脳の電気活動の異常でして、いわば脳の中に嵐が起きた状態です。
この時、意識はなくなり、異常な行動をとったり、手足が小刻みに震えることがあります。
てんかんはどの年齢でも起こりうる疾患です。
てんかんの症状について
てんかんの症状といっても、てんかんの種類によって、出てくる症状も異なります。
最も多いのは、強直間代性の発作で、意識を消失し、筋肉がこわばり、全身がガクガクと小刻みに震える発作です。
同様の発作が体の一部(顔や腕だけ)のみに起こるものを、部分発作といいます。
話しかけている時に急に意識がなくなり、ぼーっと一部を見つめてしまう欠神発作もあります。
▪️ 発作の前兆を感じる人もいます
片頭痛などもそうですが、てんかんも発作が起きる前に前兆を感じる人もいます。
例えば;
『発作が起きそうな気がする』
『変な感じがする、匂いがする』
など違和感を感じ、その後に発作が現れます。
てんかんが疑われたら検査は必要ですか?
てんかんを疑ったら検査は必須です。具体的には
- 脳波
- 画像検査(MRIやCT)
を撮影します。
脳波では脳の電気活動を検査し、画像検査では脳の形態に異常がないか(例えば腫瘍がないか)を見ていきます。
てんかんの治療について
▪️ 内服薬(飲み薬)について
てんかんと診断されたら、多くの場合は抗けいれん薬(抗てんかん薬)を内服します。
これらの薬にはてんかんの原因そのものを治療する効果はありませんが、てんかん発作の再発予防の効果があります。
▪️ 内服薬の注意点
抗てんかん薬も副作用があり、飲み始めてから疲労感や倦怠感が出てくることがあります。
また、一部の薬は薬疹が出やすいため、特に飲み始めは注意が必要です。
さらに、抗てんかん薬は、他の飲み薬と相性が悪いことがありますので、新しく処方される薬は大丈夫か、処方される医師にあらかじめ相談すると良いでしょう。
▪️ 内服薬でも軽快しない場合
ほとんどの症例は内服薬でコントロール可能になります。
内服薬でも軽快しない場合は、食事療法(ケトン食)をしたり、脳の手術を受ける、迷走神経刺激装置を入れる、といった選択肢があります。
抗てんかん薬は生涯ずっと内服しないといけないですか?
必ずしも、一生にわたって内服が必要というわけではありません。
小児のてんかんの場合、成長とともに発作が出なくなることがあります。
てんかんの種類によりますが、一定の期間で再発がなければ、内服を終了できるケースもあります。
ですが、終了する際には医師の判断にまかせ、自己判断で薬を中断するのはやめましょう。
こどもがてんかんと言われました。アドバイスを下さい
1. 内服は確実にしましょう
内服は毎日、決められた時間に行いましょう。
簡単なようで、意外と難しいです。
朝起きてトイレにいくのと同じように、生活リズムの一部にしてしまいましょう。
学校やご家庭の事情で、続けて飲めないケースも多々あると思います。
そのような時は、医師にも相談をして、内服の回数やタイミングが変更できないか確認されると良いでしょう。
2. 睡眠をしっかりとて、健康的な食生活を
ストレスや疲れはてんかん発作の再発の原因になります。
睡眠をしっかりとり、健康的な食生活をし、ストレスを溜めないようにしましょう。
3. 学校にもてんかんについて相談しましょう
通学している場合、学校で内服が必要になったり、発作が起きてしまうケースもあるので、あらかじめ相談しておくと良いでしょう。
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