腰痛・背部痛は小児でもよく見かけます
腰痛・背部痛と聞くと、大人や年配者の方が抱える悩みと思われがちですが、実は小児でも認めます。
およそ50%の小児は18〜20歳までに一度は腰痛・背部痛を患うと言われています。
痛みの性状は、鋭い痛みであったり、鈍い痛みであったり人によって様々なようです。
腰痛・背部痛の原因について
小児の腰痛・背部痛の主な原因は、筋肉からくる痛みです。
運動中に痛めたり、重いものを持ち上げた後、転倒した後などに起こりやすいです。
頻度としては高くなく、比較的まれですが;
- 椎間板ヘルニア
- 脊椎炎
- 腫瘍
などが原因のこともあります。
どのような時に受診したらよいか?
小児の腰痛・背部痛は安静にしていれば軽快してしまうことが多いですが、一度医療機関で診てもらったほうがよいこともあります。
例えば
- 腰痛のため夜起きてしまう、眠れない
- 腰痛と発熱が同時に起こった
- 腰痛があり、体重が減ってしまった
- 5歳以下の腰痛
- 足の感覚が変、歩き方が変、歩けない
- 体をぶつけた後に腰痛が出てきた
- 結核や悪性腫瘍に罹ったことがある
- 急に尿失禁・便失禁をするようになった
- 朝に腰痛があり、こわばりが30分程度続く
などは、通常の筋肉の痛みでは説明がつかないことがあるので、受診されたほうがよいと考えています。
腰痛・背部痛の検査について
おそらく小児科や整形外科の先生は外来で色々と質問や診察をして、その後に検査をするか否か決めるでしょう。
行う検査としては、
- 血液検査
- レントゲン
- CT/MRI
などから選択することが多いでしょう。
腰痛・背部痛の治療について
上の受診基準で示したような症状がなければ、自宅で様子をみてもらうことが多いでしょう。
治療としては、
- 痛み止め
- 温める
- 軽い運動を続ける
- ストレッチ・筋力強化のトレーニングをする
を段階的にアドバイスすることがあります。
1. 痛み止め
小児の場合はアセトアミノフェン(カロナールなど)やイブプロフェンが処方されることが多いでしょう。
特に使い過ぎによる痛みや、筋肉由来の痛みであれば軽快することが多いです。
2. 温める
痛めた直後や、スポーツのしすぎで痛めてしまった場合、最初の数日は少し温めると痛みが軽減することがあります。
いろんな製品がありますが、やけどをしないように気を付けてください。
3. 可能な範囲で軽く運動する
「安静に」と指導されることが多いですが、一日中寝ていると筋力が低下してしまうことがあります。
痛みの強さにもよりますが、動ける範囲でよいので、軽く体を動かしたら良いでしょう。
4. ストレッチや筋力トレーニング
痛みが軽快してきたら、ストレッチや筋力トレーニングを取り入れるとよいでしょう。
最初は痛くない範囲で背筋を伸ばしたり、ウオーキングや水泳などで運動をすると良いでしょう。