小児の風邪は乳幼児や学童を含め、最も多い病気です。
こどもが風邪を引くと登校・登園ができなくなりますし、保護者も仕事を休まなければいけなくなるケースも出てきます。
今回は2回にわたり、
- 風邪の原因
- 風邪の症状
- 風邪の治療
について解説していこうと思います。
風邪の原因について
風邪の原因はほとんどがウイルス感染です。
ライノウイルスの感染が多いですが、このウイルスは100種類以上いるため、小児は繰り返し感染してしまいます。
ライノウイルス以外ですと、
- エンテロウイルス
- コロナウイルス
なども風邪の原因ウイルスとして多いです。
こどもはどのくらい風邪をひくのか?
6歳未満の小児の場合、年間6〜8回ほど風邪をひくといわれています。
1回風邪をひくと、咳や鼻水の症状は2週間程度続きます。
特に幼児は保育園・幼稚園に行き始めたばかりの頃は、風邪を繰り返す傾向になります。
これは、お互いに異なるウイルスを移しあうため、何度も風邪を引いてしまうと考えられています。
風邪はどのように移るのか?
風邪はどの季節でもひきますが、最も多いのは秋と冬でしょう。
こどもはウイルスに感染することで風邪をひきます。感染する経路はいくつかあり、
- 風邪をひいているこどもから感染
- ドアやおもちゃを介しての感染
- 咳やくしゃみによって排泄されたウイルスを吸い込むことによる感染
が代表出来です。
風邪の症状について
風邪の症状は、原因となるウイルスに接触してから2−3日で始まります。
代表的な症状について
代表的な症状は
- 鼻づまり
- 鼻水(透明、黄色、緑色)
- 発熱
- 咳
- 喉の痛み
- 不機嫌
- 食欲低下
- 入眠に時間がかかる
でしょう。
風邪の症状は長引くことがあります
咳や鼻水は最初の10日間が悪く、後半になると徐々に軽快してきます。特に咳は風邪でも2週間以上続くことがあります。
幼児の場合、免疫が未熟であるため、風邪が治りかけたところで、別のウイルスに感染して咳や鼻水が悪化してしまうことがあります。
ご両親からすると、場合によっては1ヶ月以上風邪が治っていないように感じることもあるかと思いますが、このようなケースは異なるウイルスに異なるタイミングで感染しているためと考えています。
風邪に合併症はあるのか?
風邪をこじらせてしまい、合併症を起こしてしまうことがあります。例えば、
- 中耳炎
- 喘息発作
- 副鼻腔炎
- 肺炎・気管支炎
が代表的でしょう。
中耳炎について
中耳炎は小児の5〜20%くらいが起こすといわれています。
風邪で鼻水の量が増え、ウイルスや細菌が耳管を介して耳に感染するために起こります。
風邪の症状が出てから、数日以降に中耳炎となることが多いです。
副鼻腔炎について
副鼻腔炎は、鼻水の中にいる細菌が、副鼻腔という鼻の奥の空間で増殖するために起こります。
鼻水が10日以上続いたり、痰がらみの咳が続く時に疑います。
肺炎・気管支炎について
肺炎や気管支炎は風邪の初期症状からわからないことが多く、咳が長引く、発熱が長引く、呼吸が苦しそう、といった症状から判断することが多いです。
まとめ
今回は風邪の原因はウイルス感染がほとんどで、咳や鼻水は長引くケースがある点を説明してきました。
次回は、風邪の治療について説明していこうと思います。
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