蜂窩織炎って何ですか?
蜂窩織炎は「ほうかしきえん」と読み、平たくいうと皮膚や皮下にある軟部組織の感染症をいいます。
蜂窩織炎を起こす原因は細菌感染がほとんどで;
- 黄色ブドウ球菌
- 連鎖球菌(主に溶連菌)
が多いです。
蜂窩織炎が起こりやすい場所
蜂窩織炎は皮膚に傷がある場所から細菌が入り込んで起こることが多いです。
目に見えるような傷や、目視できないくらい小さな傷でも入り込むことがあります。
起こりやすいのは肌が露出しやすい部位ですので、手、腕、足、顔が多いでしょう。
蜂窩織炎の危険因子
蜂窩織炎になりやすい状態はいくつか知られており;
- 皮膚の外傷後(例えば擦り傷)
- 水痘など感染症の後(水疱がはじけた後など)
- アトピー性皮膚炎などの湿疹
があると蜂窩織炎を起こりやすくなります。
蜂窩織炎は皮膚の感染症ですので、外傷や湿疹などで皮膚が傷んでいると細菌が入り込んで感染を起こしてしまいます。
蜂窩織炎の症状
蜂窩織炎は皮膚に細菌が感染した状態ですので、主に皮膚に症状がでます。
例えば
- 皮膚に赤みがある
- 皮膚を触ると熱感がある
- 皮膚を触られると痛い
というのが代表的な症状でしょう。
症状は変化します
発赤など皮膚の症状は時間とともに変化します。
急に赤みが拡大して痛みがひどくなることもありますし、ゆっくりと大きくなることもあります。
皮膚の炎症がひどいと発熱することもあります。
蜂窩織炎の治療について
蜂窩織炎の治療のポイントについて説明していきます;
- 感染部位を上げる(特に寝ている時など)
- 皮膚を清潔に保つ
- 抗生物質を使用する
3つがポイントです。
1. 感染部位を上げる
感染部位が腕や足の場合、就寝時は枕やタオルなどをうまく使って感染部位を上げると良いでしょう。
挙上することで、手足の腫れを軽減できることがあります。
2. 皮膚の清潔を保つ
感染部位は綺麗に清潔に保つ必要があります。
シャワーなどで感染部位は綺麗にしたほうが良いでしょう。
暖かい湯船に入ると痛みが悪化することがあるので、ぬるめのシャワーをお勧めしています。
3. 抗生剤を使用する
皮膚に侵入してしまった細菌をやっつけるために抗生剤を使用します。
およそ5日〜2週間前後使用することが多いと思います。
軽い皮膚の炎症であれば外来で内服治療も可能ですし、炎症の範囲が広い時などは入院して点滴から治療することもあります。
どのくらいで治りますか?
抗生剤が有効であれば、治療を開始して2〜3日以内に症状が軽快しているのを実感できると思います。
皮膚の発赤の範囲が小さくなったり、触った時の痛みが軽快したりします。
耐性菌などで治療が難渋してしまうこともあります。この場合は、抗生剤の種類を変更して様子をみます。
家族への感染は気をつけたほうがよいですか?
蜂窩織炎が家族に移ることは少ないですが、蜂窩織炎の部位や膿を触った場合などはしっかりと手洗いをしましょう。
タオルの共有なども避けると良いと思います。
まとめ
蜂窩織炎は皮膚と皮下組織の感染症で、皮膚にある小さな傷から細菌が感染することで起こります。
皮膚に赤み、触ると熱い、痛いなどの症状があれば医療機関で相談しましょう。
治療は抗生剤の使用がメインです。