夜驚症・錯乱性覚醒・悪夢について
夜驚症とは?
夜驚症(やきょうしょう)とは、夜中に急に子供が起きて、非常に取り乱した状態(狼狽したり、驚いたりする)をいいます。
特に叫びだして、ベッドから飛び上がったりすることもあります。
時に汗をかいたり、呼吸が速くなったり、心拍数が上昇していることもあります。
保護者の方々は子供を落ち着けようとしても、本人は意識がないため保護者の指示に従ってくれません。
およそ10〜20分以内におさまることが多く、週に2〜3回起こることが多いです。
錯乱性覚醒とは?
錯乱性覚醒(さくらんせいかくせい)は、睡眠と覚醒の間の状態にいるため、子供が錯乱してしまった状態をいいます。
時にベッドに座って泣いていたり、わめいていることもあるでしょう。
錯乱性覚醒の状態では、こどもに意識はないため、保護者が落ち着けようとしてもできないことが多いです。
およそ30分以内に自然と落ち着いてくれることが多いでしょう。
夜驚症と錯乱性覚醒の共通点
夜驚症も錯乱性覚醒も「こどもが夜に急に泣き出し・狼狽する」状態です。時に両者の区別がつかないこともありますが、それほど気にすることはありません。
共通して言えることは、夜驚症も錯乱性覚醒も夜中の前半(最初の入眠から3〜4時間以内)におこることが多いです。
特に、体調を崩した時や、非常に疲れたりストレスが溜まっている時に起こりやすいです。
夜驚症や錯乱性覚醒をみると驚いてしまうと思いますが、基本的に大きな病気でないことがほとんどです。
本人も意識はなく、翌朝に夜中のことを聞いても覚えていません。
悪夢について
悪夢はその名の通り、睡眠中に怖い夢、悲しい夢をみたりして起き上がってしまうことをいいます。
悪夢を見た後は、こどもが怖がって眠りたがらないことがあります。
夜驚症や錯乱性覚醒と異なり、入眠後3〜4時間以上してからの深夜に起こることが多いです。
なにか検査をしたほうが良いですか?
ほとんどのケースで検査は必要ないでしょう。
- 頻回に夜驚症・錯乱性覚醒が起きる
- いびきがひどい
- (以前は大丈夫だったのに)お漏らしをする
- 痙攣のような動き(手足がピクピク律動的に震える)をする
などのケースは検査をすることがあります。
夜驚症など起きた時に、どうすればよいでしょうか?
夜驚症や錯乱性覚醒の場合
夜驚症や錯乱性覚醒が起きた時、症状がおさまるまで子供の傍にいてください。
症状が治まってしまえば、元どおり入眠しますので、無理に起こす必要はありません。
悪夢を見た場合
怖い夢を見てしまった場合、再び眠るのを怖がることもあります。
ただの夢で、現実ではないことを教えてあげたり、ハッピーエンドのストーリーを考えてあげたり、夢を絵で描いてあげると恐怖感が軽減することがあります。
治療は必要ですか?
ほとんどのケースで治療は必要ありません。
少し気が遠くなりそうですが、1〜2年で自然と軽快することがほとんどです。
夜驚症や錯乱性覚醒が毎晩決まった時間に起こるようでしたら、毎晩決まった時間に意図的に、短時間だけこどもを起こすという方法もあります。
睡眠を見直してもよいでしょう
体調不良やストレスで夜驚症や錯乱性覚醒が起こることがあります。
睡眠サイクルが乱れたり、睡眠時間が十分に確保できていないと起こってしまうことがあります。
一般的な小児の睡眠時間ですが;
- 3〜5歳:10〜13時間(昼寝も入れて)
- 5〜8歳:9〜12時間
- 10代:8〜10時間
とされています。
- 入眠する・起きる時間を固定する
- 入眠前に激しい運動は避ける
- 入眠前にテレビは見ない、テレビを寝室に置かない
- 入眠前のルーチン(絵本を読むなど)を行う
- 静かで暗い部屋で寝かす
など睡眠環境を見直してみてもよいでしょう。
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