おむつ皮膚炎は、おむつで覆われた部位の皮膚が炎症をおこした状態をいいます。
特に、新生児や乳児では非常に多く、7〜35%はおむつ皮膚炎を起こすと言われています。
おむつ皮膚炎の起きやすい月齢は9〜12ヶ月と言われていますが、おむつを履いている限りは、どの年齢・月齢でも起こります。
おむつ皮膚炎は正しく対処すれば、短期間で治りますし、予防をすることもできます。
おむつ皮膚炎の原因について
おむつ皮膚炎の原因は大きく2つに分けられ、
- おむつが原因で起こってしまった皮膚炎
- おむつとは無関係で起こった皮膚炎
の2つに分けられます。
1. おむつが原因で起こった皮膚炎
おむつに関連して起こるおむつ皮膚炎は、
- 便や尿への刺激によって起こった
- 皮膚にいる真菌が蒸れて増殖した
- おむつへのアレルギー反応
の3種類に分けられます。
皮膚への刺激について
主に便や尿が皮膚を刺激して、皮膚に炎症が起きている状態をいいます。
便・尿が原因のおむつ皮膚炎が最も多く、お尻やお股を中心に真っ赤になることもあります。
症状は様々でして、軽い赤みのこともあれば、真っ赤にただれてしまい、皮膚が剥がれることもあります。
真菌の感染について
カンジダという真菌がおむつで蒸れたりして増殖したことが原因で、皮膚炎が起きていることがあります。
特徴としては、皮膚と皮膚が重なりあう場所(股の付け根など)に起きやすいです。
見た目も小さな水疱があったり、黄色い浸出液が出ることがあります。
アレルギー反応について
皮膚がおむつとアレルギー反応を起こして皮膚炎となる場合もあります(接触性皮膚炎)。
おむつと皮膚が反応していることもありますし、実はお尻拭きが原因だったケースもあります。
おむつとは関係なく皮膚炎が起きている場合
おむつとは関係なく皮膚炎が起きていることがあります。代表的なのは
- 脂漏性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 細菌感染
の3つでしょう。
脂漏性皮膚炎
乳児は体がふっくらしているので、お尻や股付近は皮膚と皮膚が接触しやすい構造になっています。
皮膚と皮膚の間に皮脂が溜まると、そこで炎症が起こってしまうことふぁあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎を心配される保護者も多いですが、おむつで覆われた皮膚は保湿されているため、アトピー性皮膚炎は起こりづらいと言われています。
細菌感染
おむつに覆われた場所で膿痂疹という細菌感染症が起こってしまうことがあります。
他の部位で起こった膿痂疹が、爪などを介してお尻や股に移ってしまうことがあります。
膿痂疹の特徴は、1-3 mmくらいの小さな黄色の水疱が集まっている点です。
痒みを伴うことが多いです。
まとめ
今回はおむつ皮膚炎の原因について簡単に説明してみました。
主におむつが原因の場合と、おむつ以外に原因がある場合があります。
おむつ皮膚炎の対処法は、こちらにまとめてあります:
おむつ皮膚炎の治療法のポイントはこちら
参考文献