『鼻血が出ました。なにか変な病気じゃないかと思いまして。。。』と受診される方がいます。
特に、夜間や休日に急に鼻血が出てしまうと、心配になって救急外来に受診されるケースがあります。
今回は小児の鼻血について、簡単に説明していこうと思います。
小児の鼻血はよくあることですよ
こどもが鼻血を出すと、びっくりして受診される方が沢山います。
普段、こどもが出血することはあまり見ないでしょうし、大人と違って子供がパニックを起こすこともあります。
確かに、急に鼻血が出ると、医療者でもちょっとびっくりすることがありますが、ほとんどのケースで鼻血は心配いらないです。
ほとんどの鼻血は正しく対処すれば止めることができます。
なぜ鼻血が出るのでしょうか?
鼻血が出る理由は様々ですが、原因として
- 鼻の中をほじって、粘膜を痛めてしまった
- 空気が乾燥しているため、鼻粘膜が傷つきやすい
- かぜや花粉症で、鼻の粘膜が荒れている
- 鼻をぶつけてしまった
などが多いと思います。
鼻血が出やすくなる薬ってありますか?
小児で使用することは少ないですが、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬など)を使用していると、鼻血が出やすくなります。
代表的なものとして
- アスピリン
- クロピドグレル(プラビックス)
- ワーファリン
などがあります。
生まれつき心臓に病気があるお子さんや、川崎病にかかった後にこれらの薬を内服していることがあります。
アレルギー性鼻炎などで、ステロイドの点鼻薬を使っている場合も鼻出血しやすくなることがあります。
自宅でできる鼻出血の対処法
急に鼻出血してしまった場合の対処として
- 前かがみになる
- 鼻を押さえる(鼻骨がない場所)
- 5〜15分は鼻を押さえてじっとする
- なかなか止まらない時は鼻を冷やしながら押さえる
の4点に注意しながら鼻血をとめましょう。
1. 鼻血が出たら前かがみになりましょう
鼻血がでたら前かがみ(前傾姿勢)になりましょう。
右のイラストのように上を向いてしまうと、血液を飲み込んでしまい、嘔吐したり、むせったりするのでNGです。
2. 鼻をしっかり押さえましょう
時々、「鼻の付け根を押さえて!」と言われていることがありますが、鼻の付け根には硬い鼻骨があって、押しても中の粘膜を圧迫できません。
正しくは、鼻の真ん中あたりを両側からしっかりと押さえましょう。
3. 5〜15分は鼻を押さえましょう
「どのくらい鼻を押さえたらいいですか?」
と聞かれることもあります。最低でも5分、できれば15分ほど鼻を押さえて欲しいと考えています。
止血したかすぐに確認したくなりますが、鼻を押さえ始めたら、最低でも5分は圧迫を緩めないでください。
4. なかなか止まらないときは、冷やしながら圧迫
鼻血が止まりづらいときは、保冷剤などを使用して、鼻を冷やしながら圧迫するとよいでしょう。
鼻を冷やすと、中の鼻粘膜が冷えて、血管が収縮してくれるため、鼻血が止まりやすくなります。
*小さなお子さんの場合、すごく嫌がってしまうことがあるので、無理に冷やそうとしないほうが良いケースもあります。
まとめ
こどもの鼻血はよくみかけます。対処法としては、
- 前かがみになり
- 鼻をしっかり押さえ
- 最低でも5分は圧迫する
が基本です。
次回は受診基準や、病院で行われる治療について解説していこうと思います。