『目を離した隙に、熱湯がこぼれて、腕に熱いお湯がかかってしまいました』
『花火で火傷をしてしまいました』
など、小児でも火傷(やけど)をしてしまうことがあります。
火傷は医学的には『熱傷(ねっしょう)』と言っていますが、
- 熱いお湯
- 熱い蒸気
- 火
- 化学物質
- 電気
- 日焼け
など、こどもも熱傷を起こす原因は様々です。
今回は家庭で起こりうる熱傷(特に熱いお湯や蒸気など)について解説していこうと思います。
熱傷の種類について
熱傷には4種類あり;
- I度熱傷
- 浅達性II度熱傷
- 深達性II度熱傷
- III度熱傷
となっています。
1から4に進むにつれて、熱傷の重症度は上がっていきます。
I度熱傷について
I度熱傷は一番軽い火傷(やけど)のことをいいます。
皮膚の表面だけ高温により傷つき、赤く痛みをを伴います。
I度熱傷の場合、赤くなった皮膚を圧迫すると、白く変色します。
I度熱傷であれば、通常は数日〜1週間で治ります。
浅達性 II 度熱傷について
浅達性 II 度熱傷は、皮膚が赤くなり、水ぶくれ(水疱)ができ、痛みを伴う火傷のことをいいます。
I度熱傷と同様に、発赤のある場所は、圧迫すると白くなります。
I度熱傷との違いは、水疱を形成する点にあります。
このタイプの熱傷ですと、皮膚が軽快するのに1〜3週間程度かかります。
深達性 II 度熱傷について
深達性 II 度熱傷は、さらに重症の熱傷です。
浅達性 II 度熱傷と同様に、水ぶくれ(水疱)を伴う火傷です。
深達性 II 度熱傷の場合、強く圧迫すると痛みは消えますが、発赤のある場所は白く変化しなくなります。
熱傷部位は、発赤以外に、白色や紫色に変化してしまうことがあります。
III 度熱傷について
III 度熱傷は、最も重症な熱傷をいいます。
熱傷により、皮膚の組織が全て壊れてしまった状態をいいます。
見た目は、黒色・灰色・白色に皮膚が変色してしまい、表皮の知覚神経も壊れてしまうため、痛みを感じません。
III 度熱傷の場合、外科的な治療なしに軽快することは難しいです。
どのような時に受診したらよいですか?
軽い火傷の場合、自宅で冷水で冷やして様子をみる方もいますし、受診に迷ってしまう保護者の方も多いでしょう。
基本的に迷ったら受診でよいと思いますが、以下も目安にするとよいでしょう;
- 顔・手・指・足の指・陰部の熱傷
- 関節に近い場所の熱傷
- 手足、指、胸部などを一周してしまうような熱傷
- 広範囲の熱傷(7〜10 cm以上)
- 熱傷後に発熱している
- 5歳以下の火傷
などが挙げられます。
まとめ
火傷(やけど)は医学的に熱傷(ねっしょう)といいます。
熱傷は軽傷〜重症まで様々でして、受診したほうがよいケースもあります。
次回は熱傷の治療について説明していこうと思います。
あわせて読みたい
日焼けも熱傷の一種です。