小児科

植物への接触性皮膚炎の原因【ツタウルシ・ウルシオール】

  • 屋外で遊んでいたら、急に手足に発疹がでてきました
  • 草むらに半袖・半ズボンで遊んぶのはよくないですか?

など、小児も植物に対して接触性皮膚炎を起こすことがあります。

ツタウルシ(Poison Ivy)など、特定の植物に接触すると、皮膚炎が起きてしまうことがあります。

この接触性皮膚炎は、小さな子供のほうが症状が強く、大人のほうが軽い傾向にあります。

特に夏場にアウトドアや山登りで、半袖・半ズボンで草むらに入っていくと、接触性皮膚炎を起こしてしまうことがあるため、注意が必要です。

植物に接触すると皮膚炎が起こる理由

ウルシオールについて

ツタウルシといった植物にはウルシオール(urushiol)という物質があります。

このウルシオールは果実、葉っぱ、幹、根などに含まれる無色の油です。

ウルシオールが外気に触れると、茶色や黒色に変色します。

ウルシオールに接触する状況

ウルシオールは

  • 植物の表面
  • 動物の毛
  • 園芸用具
  • 焚き火の煙
  • 銀杏やマンゴー

に含まれていることがあり、皮膚炎を起こしてしまうことがあります。

ツタウルシの見分け方

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ツタウルシの特徴として、葉っぱが3つの小葉(小さな葉っぱ)でできている点です。

紛らわしいですが、ウルシという植物も接触性皮膚炎を起こすことがあり、こちらは5〜7枚以上の小葉があるのが特徴です。

接触性皮膚炎の症状について

ウルシオールなど接触性皮膚炎の原因物質をもつ植物に触れた場合、50%程度の割合で皮膚炎の症状がでます。

症状がどの程度ひどいかは、かなり個人差がありますが

  • 皮膚がかなり痒い
  • 皮膚が浮腫んでいる
  • 皮膚が赤い

といった症状が典型的です。

皮膚の症状が出るタイミングについて

ウルシオールを含有する植物に接触して、早ければ4時間くらい、遅くとも数日以内に皮膚の症状がでるでしょう。

どのように食物と接触したかにより、症状は異なりますが、線状に赤みが出たり、ひどい場合は水疱ができてしまうことがあります。

皮膚の症状はどのくらい続くか

皮膚の症状は早ければ数日以内に軽快しますが、長ければ2−3週間続いてしまうこともあります。

接触性皮膚炎は移りますか?

皮膚が赤くただれたり、水疱ができたりすると、見た目ににも感染しそうな印象をもたれるため「他人に移すことがありますか?」と聞かれることがあります。

接触性皮膚炎による皮膚の症状であれば、基本的に誰かに移してしまうことはありません。

しかし、ウルシオールの成分は爪や衣類などに残っている場合があるため、手洗いや洗濯はしっかり行ったほうがよいでしょう。

診断について

皮膚の症状(発赤や水疱)や植物との接触歴を聞いてほぼ診断はつきます。

特別な検査は必要ないことがほとんどでしょう。

まとめ

今回はツタウルシなどウルシオールを含有する植物への接触性皮膚炎について説明してきました。

次回は、この接触性皮膚炎の治療法・予防法について解説します。 

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。