『赤ちゃんは、いつ頃になったら外出してよいですか?』
『交通手段はどれがよいでしょうか?』
と健診後の外来で相談されることがあります。
明確な決まりはありませんが、小児科的な答えを説明してみようと思います。
(多少、私の個人的な意見が混ざっています。ご容赦ください。)
生後1ヶ月までは不要な外出は避けましょう
生後1ヶ月までは焦らず、不要な外出は避けた方がよいでしょう。
1ヶ月健診などで病院に受診するなど、特別な理由がない限りは、無理せず自宅にいたほうが良いでしょう。
天気がよく、暑すぎない日に、ベランダや庭で外気浴する程度で十分でしょう。
生後1ヶ月までは外出を控えたほうがよい理由
これにはいくつか理由があり、
- 新生児は体温調節が上手ではない
- 感染症に非常に弱い時期である
といった点が挙げられます。
外出に伴う体温調節が上手くできず発熱してしまったり、感染症などをもらってしまうことがあります。
この時期に感染症にかかり発熱すると、病院で様々な検査(血液検査、尿検査、髄液検査、レントゲン、CTなど)をして入院になります。
赤ちゃんの入院は、本人もご家族も大きな負担がかかりますので、不要なリスクは避けた方がよいでしょう。
生後2〜3ヶ月になっても焦らずに
生後2〜3ヶ月になってくると、体が大きくなり、徐々に首も座ってきて成長と発達を実感できる時期です。
最初は数分程度のお散歩など、徐々に赤ちゃんを外の環境になじませましょう。
外出する時の注意点
お母さんからもらった免疫を赤ちゃんは持っていますが、生後2〜3ヶ月もまだ免疫力が弱い時期です。
感染症にかかるリスクを減らすためにも、人混みは避けましょう。
特に感染症の流行している時期、例えば
- 夏に手足口病・ヘルパンギーナが流行している時期
- 冬にインフルエンザが流行っている時期
は注意したほうがよいでしょう。
体温調整もまだまだ上手ではありませんおで、冬場の寒い時期や夏の暑い時間は外出は避けたほうが良いしょう。
どうしても長距離の移動をしなければいけません
「里帰り分娩から自宅に戻ります」など、赤ちゃんが小さい時期に長距離移動が必要になってしまうケースがあります。
どの交通手段が一番よいというのはありませんが、それぞれの交通手段の特徴を理解して、ご家族にあった選択をするとよいでしょう。
飛行機について
生後8日未満の子供は飛行機に搭乗することができない決まりになっています。
もちろん生後1ヶ月未満の長距離移動は避けた方がよいですが、生後8日以降であれば搭乗することができます。
飛行機は移動時間が短くするため、人混みの中にいる時間が短くすることができます。
車での移動について
車での移動は、飛行機や電車などと比べて、荷物を気にしなくてよいという利点があります。
人混みも避けれるので、不要な感染症を避けられるメリットがあります。
また、赤ちゃんが泣いてしまっても周りを気にすることもありませんし、自由に休憩することができます。
注意点として、お子さんの安全のためにも、月齢にあったチャイルドシートを必ず着用しましょう。
新幹線など
新幹線など公共交通機関を利用する場合は、あらかじめ下調べをしておくと良いでしょう。
例えば、
- 混雑しやすい時間を避ける
- 駅や列車内でオムツ交換できる場所
- 駅で授乳できる場所
- ベビーカーが使える設備
などを確認しておくと、当日に焦らずに移動ができて良いでしょう。
まとめ
生後3ヶ月(特に生後1ヶ月)まで外出は慎重になったほうがよいです。
とはいえ、外出が避けられないケースもありますので、事前にどの交通手段を利用して、下調べを念入りにしておくとストレスが軽減します。
どの交通手段でも、赤ちゃんが小さい時は手助けをしてくれる人と移動すると心強いと思います。
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