おしりの上にくぼみがあります
健診の時に「お尻の上にくぼみがあります」とご相談されることがあります。
また、健診時の診察では赤ちゃんのお尻やその上は必ず確認するようにしています。
すると、上の図のように、あかちゃんのお尻のうえに小さなくぼみを認めることがあります。
これを先天性皮膚洞と呼んでいます。
先天性皮膚洞は一見すると深い穴のように見えますが、途中で閉じていれば大きな問題になることはありません。
注意すべき点は、皮膚の汚れなどが溜まりやすいので、不潔にならないようにマメに洗うことでしょう。
くぼみが深い場合
おしりの上のくぼみが深い場合、脊髄という背中の神経と強くくっついている場合があります。
この場合、放置してしまうと、将来歩きにくくなったり、尿や便をうまく排泄できなくなってしまう場合があり、手術が必要なケースもあります。
- 足の動きが悪い
- おむつが常に濡れている(特にお尻側)
- 腰やお尻に腫瘤(できもの)がある
- くぼみの先が確認できない
などの症状がある場合は、お早めに小児科や脳神経外科にご相談ください。
くぼみの入り口が小さく、くぼみの先が見づらいこともあります。
保護者の方から見て判断がつかない場合も、小児科や脳神経外科でご相談されるとよいでしょう。
先天性皮膚洞の検査について
皮膚洞の深さや、脊髄(背中の神経)との関係をみるために、検査が必要になることがあります。
- 超音波
- CT
- MRI
などを行うことがあります。
どの検査を使用するかは、病院の施設や医師の好みもありますが、MRIを使用するケースが多いと思います。
超音波は医師の慣れが必要です。必ずしもすべての小児科医が超音波が得意なわけではありません。
CTについては、やはり被曝の影響を考えると避けたいところです。
赤ちゃんのMRIについて
赤ちゃんが動いてしまうとMRIは綺麗にとれなくなってしまいます。
このため、MRIを使用する場合は、鎮静(眠くなるお薬を使う)することがほとんどでしょう。
まとめ
先天性皮膚洞は、お尻の上の皮膚の小さなくぼみのことをいいます。
くぼみが浅く、途中が閉じているのが見えれば問題となることは少ないです。
くぼみが深かったり、背中の神経を巻き込んでいる場合は、検査と治療が必要になってくることがあります。