- 『おむつについた尿の色が赤っぽくて気になります』
- 『おしっこの匂いが気になります』
と外来を受診されることがあります。
普段の尿と比べて色が変わったり、なんとなく匂いが異なると、心配になってしまうと思います。
今回はこの2つの質問にお答えしてみようと思います。
赤ちゃんの赤い色のおしっこについて
尿酸塩について
赤ちゃんの赤色の尿の原因として『尿酸塩』があります。
尿酸塩は尿の中にある正常な物質で、尿が濃い時に赤っぽく見えてしまうことがあります。(赤というより「レンガ色」や「オレンジ色」のことが多いです)
特に夏場など、たくさん汗をかいてしまうと、尿の量が減り濃縮してしまうため、この「尿酸塩」が赤く見えることがあります。
尿酸塩の特徴として、時間が経つほど赤色が鮮明になります。
さらに、おむつについた赤っぽい場所(尿酸塩)に少量のお湯をかけると、色が消えてしまうことがあります。
内服中の薬について
飲んでいるお薬によって、尿の色が赤っぽく変化することがあります。代表的なものとして、
- セフジニル(セフゾン®︎)
- リファンピシン
- チペピジン(アスベリン®︎)
などが有名です。
血尿について
赤い尿で一番気をつけなければならないのは血尿です。
血尿の特徴として、時間が経つほど赤っぽかった尿が、黒色に変化することです。(これが尿酸塩との違いです)。
また、血尿は最初から茶褐色であったりコーラ色のこともあります。
詳しくは過去の記事に書いてありますが、血尿の原因として、尿路感染症や腎炎など病気の精査が必要となります。
尿の匂いが変です
一般的に尿の匂いは一定でなく、いろいろな要因で変化しています。
例えば、尿を少し放置してしまうと、尿に混入した雑菌の影響で臭くなることがあります。
また、暑い夏場など、汗をかいて尿が濃くなっている時は、尿の中に含まれる物質も濃くなるため、悪臭を発することがあります。
尿路感染症のことがあります
「尿の匂いが変です」
と受診され、尿路感染症と診断されることがあります。
尿路感染症の時の匂いは、すっぱいアンモニア臭であったり、腐敗臭を発していることがあります。
特に赤ちゃんが発熱して、尿の匂いが気になる時は、お早めに受診して尿の検査をしてもらいましょう。
まとめ
尿の色や匂いは必ずしも異常ではありませんが、尿路感染症などをはじめ、いくつか気をつけなければならない病気もあります。