- トイレトレーニングはいつから始めたらいいですか?
- どうやって開始したらいいのですか?
- トイレトレーニングに向けて、なにか準備することはありますか?
など、健診などちょっとした時に質問をされます。
様々な子育て情報や祖父母世代からの教えもあり、情報に混乱されているのかもしれません。
ひょっとしたら、何をどうしていいのか分からず、悩んでいる保護者の方々もいるでしょう。
そこで、今回は小児科医としての視点から、トイレトレーニングの準備や心構えについて語っていければと思います。
本記事の内容
- トイレトレーニングの準備
- 保護者の準備はOK?
- トイレトレーニングにかかる時間
トイレトレーニングの『準備』はできてますか?
- 『そろそろトイレトレーニングを開始しようと思っています』
と外来でご相談いただくことがあります。
トイレトレーニングを開始するまえに、本人の発達レベルを確認するとよいと思います。
発達のチェックポイント
以下の点がクリアできているかチェックしてみましょう;
- トイレまで自分で歩いていける
- トイレにしっかりした姿勢で座れる
- お昼寝の後におむつが濡れていない(おしっこの感覚が2時間以上空く)
- 衣類を着たり脱いだりできる
- 簡単な指示に従える
- 嫌なことは『いや』と意思表示できる
- 大人や年上の子供の真似をすることがある
全てを完璧にクリアしている必要はありませんが、トイレトレーニングを本格的に始める前に、ある程度の発達が進んでいることが必要です。
発達には個人差がありますので、トイレトレーニングの開始時期が異なってもよいと小児科的には考えています。
あくまで目安ですが、1歳6ヶ月〜2歳すぎくらいには、自分の意思表示がある程度でき、運動発達も十分に備わることが多いです。
便秘は大丈夫ですか?
便秘のあるお子さんの場合、トイレトレーニングが難渋してしまうことがあります。
慢性的に便秘があると、便を我慢してしまったり、排便時にお尻に痛みを感じていることがあるため、トイレを非常に嫌がることがあります。
トイレトレーニングを始める前に、便秘の治療をお勧めすることもあります。
親の準備はOKですか?
こどもだけでなく、ご両親もトイレトレーニングの準備ができているか、確認してみましょう。
例えば、
- トイレトレーニングをする時間がある
- 感情的に落ち着いている(こどもを頑張って励ませる)
といった点を考えてみるとよいでしょう。
親の時間と気持ちの余裕があり、じっくりと取り組める時期を選びましょう。
トイレトレーニングは根気がいります
おむつ替えは、おむつを替えてしまえばおしまいですが、トイレトレーニングには時間と労力が必要になります。
例えば「トイレに座らせてもうまくできなかった…」ということはよくあります。
保護者にゆとりがないと、こどもが上手にトイレできるようになるまで待てず、イライラしてしまったり、叱ったりしてしまいます。
(トイレトレーニングでこどもを叱る行為は逆効果です)
特に最初の2−3ヶ月は根気がいりますので、一緒にトレーニングをする大人もゆとりがあるか、考えてみるとよいでしょう。
トイレトレーニングを延期したほうがよい時
こどもは環境の変化に敏感です。例えば、
- 新しいこどもが、もうすぐ産まれる
- 新しい家に引っ越した、職場に変わった
- 保育園・幼稚園に入ったばかり
など、環境が変わる前後のトイレトレーニングは避けた方がよいでしょう。
こどもにフラストレーションが溜まってしまい、失敗する可能性が高いからです。
トイレトレーニングに時間がかかりますか?
お子さんによって、かなり個人差がありますが、トイレトレーニングを開始して
- 日中の排尿コントロールができるのに半年
- 夜間の排尿コントロールができるのに、さらに数ヶ月〜1年
かかると言われています。
女児のほうがトイレトレーニングの完了は早く、第1子のほうが時間がかかるといわれています。
まとめ
こどもにトイレの使い方を教えるのは、本人や両親にとっても非常に重要です。
親からすると、おむつ替えから解放されるわけですが、逆に「お漏らし」の心配がでてくると思います。
こどもからすれば、おむつ替えという親の世話から一歩だけ独立できますし、「自分でできる」という自尊心を育てるきっかけにもなります。
トイレトレーニングを開始する前に、親子とも準備が整っているか確認してみるとよいでしょう。
トイレトレーニングには時間と根気が必要です。
こどもに過度の心理的負荷がかかりすぎないタイミングを選ぶとよいでしょう。
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