以前、1ヶ月健診でよくある相談集を記載しました。
当ブログで生後0日〜退院までの記事は記載していなかったため、これから複数回にわたって、まとめていこうと思います。
『新生児期』っていつまでですか?
新生児期は
- 生まれてから4週間
をいいます。
新生児期は、お母さんのお腹の外へ出て、自立して活動していくための大切な時期です。
特に初めの1週間から10日間は、新しい環境に適応するために、様々な変化がみられます。
出産後の処置や検査について
出産後にはいくつかの処置や検査をします。
赤ちゃんが元気で育つように、また特定の病気の早期発見や予防のために、病院など施設にいる間、いろんな処置をしたり検査をします。
- お臍(へそ)の処置
- 計測:体重・身長・頭囲・胸囲
- 全身状態:心音・呼吸音・姿勢・身体の動き・見た目
- 先天性代謝異常・黄疸・聴力などの検査
- 感染症予防のための点眼
- ビタミンKの投与
などの処置や検査がされています。
先天性代謝異常の検査について
平成24年から新しい検査方法(タンデムマス法)が導入され、発見できる病気の種類が19種類に増えました。
- 先天性代謝異常(フェニルケトン尿症など)
- 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
- 先天性副腎過形成
などの疾患をスクリーニングしています。
黄疸について
黄疸は、ビリルビンという物質が血液中に溜まってしまった状態をいいます。
新生児はビリルビンの代謝がうまくいかず、黄疸になってしまうことがああります。
黄疸については、こちらで詳しく説明しています:
聴力検査について
最近は検査方法が進歩して、新生児期から聴覚を検査できるようになりました。
とはいえ、非常に正確というわけではないので、仮に最初の検査をパスできなくても、正常であることも多いです。
ですが、一部に本当に生まれつきの聴覚障害が含まれています。
聴覚障害がある場合、早期から補聴器を使用して、適切な療育を行うことで、コミュニケーションの発達を促すことができます。
ビタミンKについて
ビタミンKは出血したときに血液を固まらせる働きがあります。
新生児のビタミンKが不足していると;
- へそから出血
- 胃腸から出血(新生児メレナ、といいます)
- 頭の中で出血
などを起こしてしまうことがあります。
これらを予防するために、出生時と退院時にビタミンKのシロップを飲ませています。
母乳栄養だとビタミンKが不足してしまうことがあるため、生後3ヶ月までビタミンKのシロップを定期的に飲ませる場合もあります。
(投与スケジュールは施設・医師により異なります)
色々と不安です…
「こどもが生まれたばかりで、何をしていいのかも分からず、色々と不安です…」
と退院前にご相談されることも多々あります。
赤ちゃんを迎えたばかりの喜びと、「うまく育てられるかな」という不安が入り混ざって、ひょっとするとかなり複雑な心境かもしれません。
難しく考えすぎない
不安になると、ついつい色々と考え込んでしまいますが、難しく考えることはありません。
まずはシンプルに、
- 泣いたら抱いてみる
- 泣いたら哺乳してみる
- 泣いたらあやしてみる
- 泣いたらおむつを替えてみる
を繰り返してみましょう。
繰り返しているうちに、赤ちゃんが微笑んでくれたり、赤ちゃんが何を望んでいるのか、徐々にわかるようになっていき、絆が深まっていきます。
ご家族の助けも借りましょう
子育ては父親の役割も大事で、これは新生児期(もっというと妊娠中や妊娠前)から始まっています。
妻を孤立させないこと、産後の不安定な気持ちをサポートすることも、大事な父親の役割です。
こどもが新生児のころから、積極的に育児に関わり、夫婦で試行錯誤を繰り返しながら、親として成長していきましょう。
まとめ
今回は赤ちゃんが生まれた後に行われる処置や、入院中の検査を中心に説明してきました。
次回は、赤ちゃんの体の変化について説明していこうと思います。
◉ 育児の不安解消には、森戸先生の書かれた書籍が最も優れています。とてもオススメですので、不安解消に、是非、読んでみると良いでしょう。