- 『うちの子供の発達は正常でしょうか?』
- 『小児の発達の目安を教えてください』
- 『月齢や年齢でどのくらい発達は異なりますか?』
など、健診などをきっかけに様々な質問を受けることがあります。
こどもは生まれてから、保護者をはじめとした周囲の人々や環境から、様々な刺激を受けます。
いろんな刺激や経験を通して、月齢毎に多くの能力を順番に身につけています。
このことを発達といい、小児科の健診や外来診察では、月齢に応じた発達が達成できているかを診ています。
時々、「先生は、こどもの発達で、何をみていますか?」と患者さんの家族や友人から質問されることがあります。
今回は、月齢・年齢毎にみた発達で、特に小児科で注意して診察している点を簡単に説明していこうと思います。
生後1ヶ月:把握反射・モロー反射
生後1ヶ月の特徴として;
- ものを触れると手を握る(把握反射)
- 大きな音に反応し、手足を伸ばす(モロー反射)
があります。
そのほか、元気な声で泣いているか、体重が増えているか(1日25〜40g)、体が柔らかすぎたり、反り返りが強すぎないか、を診ています。
生後3〜4ヶ月:定頸(くびがすわる)
生後3〜4ヶ月の特徴として、他人の顔をみて微笑んだり、頚がすわってきます。
外来では、頚がすわっているかを必ずみています。生後4ヶ月児の場合、90%は頚がすわります。
その他、追視ができるか、音に反応して興味をみせるかを確認しています。
生後6〜8ヶ月:寝返り
この頃になると、母親の顔が分かり、寝返りも始まります。
- 腹ばいになって、手のひらで体を支えたり
- お座りが安定したり
- ものに興味をもち、手を出して掴む
といった行動がみられるようになります。
生後9〜11ヶ月:はいはい、つかまり立ち
生後9〜11ヶ月になると、
- ハイハイができる
- つかまり立ちをする
- 人見知りをする
- まね(バイバイなど)をする
といった点を診ています。
診察室で小児科医を見て泣くと、焦ってしまう親御さんが多いです。
ですが、小児科医は「人見知りができていますね」と逆に安心します。
最後はバイバイしてくれたら、さらにOKです。
小児科医はこどもに泣かれることに慣れてますから、保護者の方々は気にしなくてよいのですよ。
生後1歳〜1歳6ヶ月:一人歩き、有意語
1歳〜1歳2ヶ月くらいになると、徐々に一人歩き(独歩)をしだします。
- 1歳で60%
- 1歳6ヶ月で99%
が一人歩きをします。
この時期から、簡単な指示が分かるようになります。
「あれ取って?」
という簡単な指示も分かるようになってきます。
あとは、ごっこ遊びをしたり、体の部位(お口など)が分かったりしてきます。
2歳くらい:2語文
日本のシステムですと、2歳での健診はないので、外来のついでに発達のことを質問されることが多いです。
2歳の目安として;
- 二語文が話せる(りんごちょうだい)
- 2つの言語指示に従える(ママにお菓子渡して)
- 走れる
- ボールをける
- 体の部位が分かる(目・鼻・口・舌・へそなど)
- 直線をまねて書こうとする
といったことができるようになってきます。
3歳くらい
3歳くらいになると、他者との関わりを覚えたり、自分の名前や年齢が分かるようになります。
発達の目安として;
- 三輪車に乗れる
- 階段を足を交互にして登れる
- 自分の名前が言える
- はさみで直線が切れる
- 対比(高い vs. 低い、長い vs. 短い、など)がわかる
- 色がわかる
があげられます。
まとめ
それぞれの月齢・年齢に応じた言葉と発達について、簡単に解説してきました。
もっと詳しいことを知りたい方は、それぞれの発達段階に貼られているページを読んでみると良いでしょう。
発達は非常に個人差が大きいです。
「〇〇ができないんですけど…」
と一つのことができなかったり、遅れていても、他のことが十分に出来ていれば、心配ないことが多いです。
それぞれの発達の目安より3ヶ月以上の遅れがある場合は、医療機関でご相談されてもよいと思います。
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