こどもの咳の対処法やホームケア(看病)で困っている保護者の方々へ
- 咳が長引いており辛そう
- 夜中になると咳が悪化して眠れない
など、咳に関するご相談は日常的に多く、詳しく知りたい保護者は多いと思います。
あと、ついでに家庭でもできる対処法を知りたい方もいるでしょう。
本記事では下記の内容を解説します。
本記事の内容
- 子供の咳のホームケアのポイント
- 背中を軽く叩く
- 加湿する
- 鼻を吸う・鼻を洗う
- 蜂蜜を与える(1歳未満はNG)
こちらの記事では、よく小児科外来で指導されている方法を記載しています。子供はよく鼻かぜをもらってくるので、対処法を知っておいても損はないと思います。
こともの咳の対処法のポイント
子供の咳の対処法は、次の4点が有効です
- 背中を軽く叩いて痰を移動させる
- 加湿をする
- 鼻吸い・鼻洗い
- 蜂蜜(1歳未満はNG)
それぞれについて、詳しく解説していきましょう。
背中を軽く叩いてあげる
はっきりとした科学的な根拠はありませんが、背中のあちこちをトントンと優しく叩くことで、痰を移動させる方法です。
背中を叩いた振動で痰が移動して、口から出るのを手伝ってくれます。
叩くと一時的に咳が悪化することがありますが、咳き込んだ後に痰が動いてスッキリすることがあります。
寝ている状態であれば、少し体の向きを変えながら、軽く叩いてあげると、より詰まった痰が出やすくなるかもしれません。
加湿について
乾燥や水分が不足していると、痰の切れが悪く排出しづらいことがあります。
このため、飲み物を飲ませたり、部屋を加湿してあげることで痰が出やすくなることがあります。
部屋全体を加湿してあげても良いですし、温かい飲み物を飲ませて喉や鼻を加湿してあげると良いでしょう。
鼻吸いと鼻洗いについて
鼻吸いは吸引器を利用して鼻水を吸い出してあげる方法です。
特に2〜3歳以下のお子さんは自分で上手く鼻をかめないことが多いので、機械などで吸い出してあげると良いでしょう。
最近は鼻吸い器も市販されています。こちらで一通り説明しています:
ご家庭に置いておく電動タイプもあり、吸引力は病院の機器と遜色ありません。
1日3回程度を目安に鼻を吸ってあげると良いでしょう。
数日に1回小児科に受診して吸ってもらうより、ご家庭でマメに処置をしてあげる方が良いと考えています。
鼻洗いについて
鼻吸いと一緒に鼻洗いを併用しても良いでしょう。
鼻洗いの液は、生理食塩水(ぬるま湯500mlに小さじ1杯の食塩(約5g)を混ぜて)作っても良いですし、専用の液を購入されても良いでしょう。
シリンジや専用の機器を使って鼻を洗ってあげると良いでしょう。
私個人としては(慢性副鼻腔炎もちのため)、こちらの商品を使用して、毎日鼻洗いをしています。
●専用の粉
● 洗浄器
蜂蜜について
蜂蜜も咳を和らげる効果があるかもしれません。
過去に行われた研究では、蜂蜜が咳を緩和する可能性が報告されています。
(詳しくは以下の記事↓↓)
注意点としては、蜂蜜は1歳未満には使用しないでください。これは乳児ボツリヌス症のリスクがあるためです。
まとめ
今回は自宅でも出来る子供の咳のホームケアについて解説してきました。ポイントは
- 背中を軽く叩いて痰を移動させる
- 加湿をする
- 鼻吸い・鼻洗い
- 蜂蜜(1歳未満はNG)
の4点でした。
咳で眠れないなど、お子さんのホームケアで困っていたら、一度試してみると良いでしょう。
あわせて読みたい
子供の風邪の自然経過を知ることで、不要な受診や投薬を避けられるかもしれません。
かぜであれば、薬を飲まなくても治るという感覚を育てることも重要と考えています。
・CURRENT Diagnosis and Treatment Pediatrics, Twenty-Fourth Edition
・Nelson Textbook of Pediatrics, 2-Volume Set
・Nelson Essentials of Pediatrics, 8e
・Medical Note presents
・小児科学, 10e
・小児の薬の選び方・使い方
・HAPPY!こどものみかた
・子どもの風邪
・小児科診療ガイドライン
・今日の治療薬