小児科

乳幼児(赤ちゃん)のおむつかぶれ(おむつ皮膚炎)と対処法【解説】

赤ちゃんのおむつかぶれ(おむつ皮膚炎)で困っている保護者の方々へ

  • 『おしりの皮膚が赤くただれています』
  • 『うんちやおしっこをするたびに、痛がって泣きます』

と受診される方は沢山います。特に下痢がひどかったり、夏場でおむつの中がジメジメすると皮膚炎を起こししてしまいますが、どう対処していいか分からない。

ついでに市販で購入できる軟膏とかあれば教えて欲しい方へ向けて、普段、病院で処方している薬に類似した市販品もご紹介できればと思います。

Dr.KID
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おむつかぶれのケアはシンプルですよ!

本記事の内容

  1. おむつ皮膚炎のポイント
  2. おむつ皮膚炎の症状や原因
  3. おむつ皮膚炎の対処法

おむつ皮膚炎は小児科外来でもよくみる疾患です。対処法は基本的にシンプルですので、簡単に覚えておくとよいでしょう。

オムツかぶれ(おむつ皮膚炎)のポイント

まずはおむつ皮膚炎のポイント(要点)から説明していきます。重要なのは3点だけでして、

  • 尿・便が長時間皮膚と接触すると起こりやすい
  • 対処法の基本は皮膚を清潔に保つ
  • 亜鉛華軟膏(あえんかなんこう)などで皮膚を保護する

になります。

おむつ皮膚炎の原因について

まずは「おむつ皮膚炎とは何か?」から説明していきましょう。次におむつ皮膚炎の原因について解説します。

おむつ皮膚炎とは?

お尻の皮膚がただれて赤くなり、ブツブツができた状態を「おむつかぶれ」と言うことはあるでしょう。この状態を「おむつ皮膚炎」といいます。

おむつ皮膚炎は、悪化してしまうと、

  • 皮膚のただれによる赤みが強くなる
  • 皮がめくれてしまう
  • 排尿・排便のたびにかなり痛がる

といった特徴があります。

受診時に「お尻が真っ赤で、おむつ替えのたびに痛がって大泣きします」と相談されることが多いです。

おむつかぶれの原因

おむつ皮膚炎の原因は、皮膚に尿・便が長時間にわたる接触です。

  • 尿・便でおむつ内の湿度があがる
  • 便にある消化酵素や細菌の繁殖
  • 尿のアンモニアによる刺激

でお尻の肌がどんどん荒れ、最後に皮膚炎になります。

おむつ皮膚炎は、『お尻の不衛生による皮膚炎』といえます。

おむつ皮膚炎の原因について詳しく知りたい方は、こちらを読んでみると良いでしょう↓↓

おむつ皮膚炎の治療法

おむつ皮膚炎の治療法ですが、

  • 皮膚を清潔にする
  • 皮膚を保護する

の2点が基本になります。

詳細な治療方法は以下の記事に書いてあります。

 ここからは、要点をまとめてお伝えしていきます。

Dr.KID
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お尻の清潔と保護が大事ですよ!

 おむつ皮膚炎の予防方法

おむつ皮膚炎にもいくつか予防方法があり、

  • こまめなおむつ替え
  • ぬるま湯やお尻拭きで、お尻・股を清潔にする

の2点につきます。

おむつ皮膚炎になりやすい状況はある程度決まっており、下痢がある時と夏場で皮膚が蒸れやすい時が代表的です。

  • 『尿や便をするたびに、石鹸やボディーソープで綺麗にしたほうが良いですか?』

と質問されることもありますが、基本的に毎回は必要ないと思います。というのも、石鹸・ボディーソープは皮膚にしみて痛がることもありますし、毎回行うのは時間的にも現実的でないでしょう。

ぬるま湯で股を優しく洗い、濡れティッシュで丁寧に拭き取りましょう。

強くこすらず、軽く押さえるようにお尻を拭くのがポイントです。

おむつ皮膚炎のケアでおすすめの商品

科学的根拠(エビデンス)があるわけではありませんが、保護者の方々からわりと評判の高いおしりふきとおむつです。
 
 

水99%の商品もありますが、水99.9%のこちらのほうが軟らかく、ふんわりとしていて赤ちゃんのお尻に優しい印象です。水で洗っているのに近いくらい、皮膚に優しく、赤みが出にくく、おむつ皮膚炎の時にお勧めします。

 

おむつに関しては色々と好みがあるでしょうが、パンパースはお尻がかぶれにくく、皮膚をサラサラに保て、おむつ漏れも少ないので人気があります。

亜鉛華軟膏で皮膚を保護しましょう

  • 『おむつ皮膚炎は、亜鉛華軟膏を厚塗りで』

と指導されることが多いですが、亜鉛華軟膏は実は市販されています。

ドラッグストアやAmazonでも購入できますので、医療機関への受診が難しい場合は、こちらの製品を使用してもよいでしょう。
亜鉛華軟膏を、お尻にべったり厚塗りして、便と尿が皮膚に触れないようにしましょう。

 

排便したら、便をしっかり拭き取り、亜鉛華軟膏をお尻に再度べったりと塗り、皮膚カバーしましょう。

3〜4日ほど続けると、かなり皮膚が改善することが多いです。

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便の消化酵素や尿のアンモニアが皮膚を刺激していることがあります。亜鉛華軟膏などで、しっかりと皮膚を保護してあげるとよいでしょう。

皮膚の炎症が強いときは…

お尻を綺麗にして、亜鉛華軟膏で皮膚を保護しても、赤みが治らないときは:

  • 非ステロイド系の軟膏(アズノールなど)
  • ステロイド系の軟膏(ロコイドやリンデロンなど)

を使用して、皮膚の炎症を軽快させます。

これらの軟膏は、お近くの小児科や皮膚科で相談して処方してもらいましょう。

真菌(カンジダ)が増殖していることも…

皮膚を綺麗にして、亜鉛華軟膏を使って、ステロイドを使用しても治らないケースがあります。

このような時は、カンジダ(真菌)の増殖を疑います。
カンジダ皮膚炎の特徴は、皮膚の円形の発赤や表皮剥離が散在している点でしょう。

カンジダに感染した場合、抗真菌薬の入りの軟膏(ニゾラールなど)を使用して、真菌を除菌します。

 

まとめ

乳幼児のおむつ皮膚炎について解説してきました。長くなりましたが、重要な点はごくわずかでして

  • おむつのまめな交換
  • お尻の皮膚を清潔に
  • 軟膏などで皮膚を保護する

の3点につきます。

あわせて読みたい

おむつ皮膚炎の治療法をまとめた論文はこちらで紹介しています

 

関連記事:スキンケアについて 

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。