小児科

夏のこどものスキンケア 〜虫除けと紫外線対策〜

  • こどものスキンケアってなにをしたらよいですか?
  • 夏場の注意点を教えてください
  • 「虫除け」と「紫外線対策」はどうしたらよいでしょうか?

など、夏場のスキンケアについて質問されることがあります。

今回は、虫除けと紫外線対策について解説しています。

Dr.KID
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夏のスキンケア対策ですよ〜

1. 虫除けについて

春から秋は、虫さされによる皮膚の症状で受診される方がとても多いです。
子供の場合、蚊やブヨに刺されて、アレルギー反応などで赤みが強く出るころがあります。

さらに、赤く腫れるだけでなく、水疱(水ぶくれ)になることもあります。

Mosquito 

虫刺され予防の基本

虫刺され予防の基本は2つで;

  1. 刺されやすい箇所の肌の露出を避ける(足など)
  2. 首、手足の先端に虫除け剤を使用する

の2つでしょう。

Dr.KID
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虫に刺されないように工夫

虫除け剤の解説

まずは虫除け剤の説明をしていきます。

虫除け剤の成分は『ディート』

虫除け剤には「ディート」という成分が入っています。
この成分は世界中で使用されています。

『ディート』は副作用が少なく、こども用の虫除けとして好ましいのでしょう。

虫がディートを嫌う理由

実は、虫がディートを嫌う詳細なメカニズムは分かっていません。
しかし、経験的にディートを使用すると、虫はこの匂いを嫌って近寄らなくなります。

しかも、ディートの効果は虫や昆虫だけでなく、ヒルやナメクジにも有効です。

虫除け剤を使用する時の注意点

虫除けを使用する時の注意点は、以下の通りです:

  • 虫除けを飲まない、吸わない
  • 乳児には、手のひら・顔は避ける、薄くのばして塗る
  • 12歳未満は保護者の監視下で使用
  • 長時間、塗ったままにせず、洗い流す
  • 室内・屋内へ入ったら、洗い流す
  • 日焼け止め併用時は、『日焼け止め→虫除け』の順に使用

ディートの入った虫除けは回数制限も推奨されており、日本のルールでは

  • 6ヶ月未満は使用しない
  • 6ヶ月〜2歳は1日1回まで
  • 2歳〜12歳は1日1〜3回まで

となっています。

*実はアメリカではディートの使用に年齢制限はありません

www.epa.gov

Dr.KID
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日本とアメリカでルールが異なることは多々あります。

衣類の上から使用してもOK

ディートの匂いで虫が寄ってこなくなるので、衣類の上から使用しても大丈夫です。
ですので、毎回、肌に直接使用しなくても、帽子や衣類の上から使用しても良いでしょう。

衣類に使用する時は、衣類の内側ではなく外側に使用しましょう。

 ベビーカーに掛けておく虫除けもあります

ベビーカーに掛けておく、つり下げタイプの虫除けもありますよ。

 

イカリジンについて

日本ではディートは6ヶ月未満の乳児では使用してはならないルールのせいか、2015年にイカリジンという新しい成分が認可されました。
イカリジンはディートと同等の効果があり、さらに皮膚への刺激が少ないといわれています。

ドイツなどで1998年から使用され、現在は50カ国以上で使用されている虫除けです。
ディートは6ヶ月未満には使用制限がありましたが、イカリジンは年齢での使用制限はありません。

 ディートとイカリジン、結局どっちがいいの?

皮膚への刺激はイカリジンのほうが少ないので、乳幼児にもより安全といえます。

その反面、イカリジンはディートよりも有効な虫の種類は少なく

  • 蚊・ブヨ・アブ・マダニには有効
  • ノミ・イエダニ・ナンキン虫・ツツガムシには無効

となっています。

普段使いであればイカリジンで十分かもしれませんが、海外旅行や山など自然に行くときはディートのほうがよいかもしれません。

Dr.KID
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使い分けても良いかな、と考えています。

2. 日焼けについて解説します

『日焼けした小麦色の肌は健康的』とひと昔前は言われていましたね。

日焼けは健康的ではありません

しかし、現在は『日焼けは健康的』とは考えられていません。
皮膚が紫外線を浴びると、皮膚にメラニンが放出され、皮膚が黒くなるのです。

つまり、それだけ紫外線によって皮膚が痛んでいると言えるのです。
紫外線は、しみ・しわ・そばかすの原因になるのと、皮膚癌のリスクにもなります。

このような理由から、近年、『日焼けは健康的』とは考えられていません。

Perfect Day at Paradise!
Dr.KID
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実は日焼けにもリスクがある。

夏の外出時の紫外線対策

紫外線の強い季節(春〜初秋)は日差しを長時間浴び過ぎないようにしましょう。
具体的には

  • 午前10時〜午後2時の外出を避ける
  • 日陰で遊ぶようにする
  • 長時間は外にいない

を心がけましょう。

曇りの日でも、紫外線は雲を通過して皮膚に降り注ぐため、注意を怠ってはいけません。

Dr.KID
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熱中症の対策も忘れずに!

紫外線対策1 〜服装を工夫〜

服装にも気をつけるだけで、ある程度は紫外線対策になります:

  • つばの広い帽子を使う
  • 肌の露出の少ない衣類を着る
  • 布製の衣類のほうが紫外線を通しにくい
  • 紫外線を反射しやすい、白や淡い色の服

など工夫されると良いでしょう。

最近では、紫外線をカットする衣類も売られています。

 

紫外線対策2 〜衣類にUVカットスプレーを〜

衣類の上から、「UVカットスプレー」を使用しても良いでしょう。

 紫外線対策3 〜日焼け止め〜

日焼け止めは赤ちゃんから使えます。
日差しの強い場所へ外出する時は、日焼け止めを使用しましょう。

ベビー用や子供用の日焼け止めが販売されています。

  SPFとPAについて

日焼け止めの強さはSPFとPAの2つの指標があります。

防御指数 (SPF) は、”Sun Protection Factor”の略語で、「紫外線を浴びてから皮膚が赤くなるまでの時間を何倍のばせるか」を表しています。

PAは、”Protection grade of UV-A”の略で、「紫外線(A波)を防御して、日焼けを防ぐ」強さを示しています。

 SPFとPAを見て使い分ける

SPFとPAの使い分けですが、

  • 日常生活:SPF 15〜20 PA ++
  • 短時間の外出:SPF 20〜30 PA ++〜+++
  • 海や山へ外出:SPF 30〜50 PA +++〜++++

を目安に選択するとよいでしょう。

SPFやPAが高くなると肌への負担も大きくなるため、適材適所で使用すると良いでしょう。

Dr.KID
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SPFとPAで使い分け!

 肌へ塗るときの注意点

日焼け止めを、薄く伸ばし過ぎると効果が低くなります。
適切な強さの日焼け止めを選択して、しっかりと塗りましょう。

そして、使用後はしっかり洗い流しましょう。

 ◎ 日常生活用

 ◎ 短時間外出用

 

 ◎ 海や山などへ外出

 

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。