新生児黄疸とは?
黄疸はその名の通り、肌や白目が黄色くなる状態をいい、新生児が黄疸になることは非常に多いです。
黄疸の原因はビリルビンという物質の蓄積で起こります。
血液中のビリルビン濃度が高いと、皮膚などにビリルビンが蓄積して「黄疸」が起こります。
黄疸の症状について
黄疸は皮膚が黄色くなります。
- 白目
- 顔
- 体幹
- 四肢
のいずれも黄色くなります。
典型的には顔が黄色くなり、続いて胸・腹・手・足と黄色くなっていきます。
新生児に起こりやすいので、どの病院も出産後の入院期間中にビリルビンの値をチェックされていると思います。
黄疸が悪化するとどうなるか?
基本的に黄疸は皮膚が黄色くなる以外の症状はありませんが、血中のビリルビン濃度が上昇しすぎると症状が出ることがあります。
例えば、
- 哺乳をしたがらない
- 新生児がなかなか起きない
- 機嫌が悪い
- 反り返る
といった症状が出ることがあります。
血中のビリルビン濃度が高すぎると、脳に影響してこれらの症状が出ると考えられています。
黄疸の原因について
黄疸は血中のビリルビン濃度が高くなることで発症すると説明してきました。
ビリルビンは赤血球が壊れて血液中に流出するため、ビリルビン濃度が上昇します。
ビリルビンは肝臓を介して胆汁として排泄されるか、腎臓を介して腎臓から排泄されます。
このバランスが崩れると、血液中にビリルビンが蓄積して黄疸となるのです。
新生児は黄疸になりやすいです
新生児は大人と比較して2−3倍のビリルビンが産生されるので、黄疸が起こりやすい時期です。
ビリルビンは赤血球が壊れた際に血液中に流出すると説明してきました。
新生児の場合、これに加えて
- 産道を通る際の刺激(外傷)
- 母の免疫が子供の赤血球を攻撃していた(血液型不適合)
- 体質でビリルビンの排出が遅い
などが理由で黄疸になっていることがあります。
特に日本人を含むアジア人は体質的にビリルビンを排出するのが遅いため、黄疸になりやすいといわれています。
哺乳量が少ないとビリルビン濃度が上昇することがあります
新生児が上手にミルクが飲めないことがあります。
この場合、新生児が軽い脱水を起こしてしまい、血液が濃縮するため、ビリルビン濃度が上がってしまうことがあります。
また、脱水になると、腸からビリルビンを体が再吸収してしまい、ビリルビン濃度が上がる原因になることがあります。
新生児の黄疸の経過について
症状がでるほど重症のことは比較的少なく、軽度から中等度くらいの黄疸で軽快することが多く、赤ちゃんにとって有害でないことが多いです。
生後72〜96時間後に黄疸が発症して、その後1〜2週間かけて軽快することが多いです。
黄疸の診断について
見た目で黄疸かどうかはわかりますが、治療が必要か否かは正確なビリルビンの値で判断するため、検査をします。
- 経皮的ビリルビン検査
- 血液検査
の2種類があります。
前者は採血する必要がないので、あかちゃんにとって負担が少なく簡単です。
先に経皮的ビリルビン検査をスクリーニングとして行い、高値が出た場合に血液検査をする方針にしている施設もあるようです。
まとめ
新生児黄疸は、血液中のビリルビン濃度が上昇して起こります。
新生児はビリルビンの排泄が遅いため、黄疸になりやすいです。
次回は新生児黄疸の治療について説明していきます。