小児科

気管支喘息ってなんですか?

気管支喘息(ぜんそく)ってなんですか?

喘息(ぜんそく)は、呼吸がしづらくなる状態をいいます。

喘息はいつも症状があるわけではないですが、一旦、喘息発作を起こしてしまうと呼吸が急にしづらくなります。

 

喘息発作の症状について

気管支喘息発作は、

  • 喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーという音)
  • 夜や明け方のひどい咳
  • 運動時に咳が悪化する
  • 呼吸がしづらい

といった症状がおこります。

発作の起こる頻度は様々でして、毎週のように起こってしまう子供もいれば、数ヶ月に1回程度のこともあります。

小児科ではどんなことを質問されますか?

病院やクリニックでは;

  • どのような呼吸の症状があるのか?
  • どのくらい頻繁に起こるか?
  • 喘息の症状で夜中に目が覚めてしまうか?
  • 学校生活や運動に支障がないか?
  • どのような状況で発作が起こりやすいか?(カゼ、運動をした時)

などを中心に質問されるでしょう。

喘息の診断について

喘息の診断は1回の受診で決めることは少なく、長い経過をみて診断を下すことが多いです。

特に乳児は気管支炎と喘息の境界線がかなり曖昧で、はっきりと診断できないケースが多々あります。詳しくはこちらに記載しています。 

喘息の治療について教えてください

喘息は大きく分けて2つの治療があります:

  1. 喘息発作を治す治療
  2. 喘息発作を予防する治療

の2つです。

1. 喘息発作を治す治療

喘息発作は、まさに今、呼吸が苦しい状態でして、呼吸をしやすくなるように即効性のある薬を使います。具体的には

  • 吸入(β刺激薬)
  • ステロイドの内服(または点滴)

の2つがメインでしょう。

酸素を常時吸っていないと苦しくなってしまう状態であれば、入院が必要になります。

2. 喘息発作を予防する治療

こちらの治療は、将来、喘息発作が起こってしまうのを予防する治療です。

  • 吸入ステロイド
  • ロイコトリエン拮抗薬

を使用することが多いでしょう。

気管支喘息では、空気の通り道に炎症がくすぶった状態が持続しています。

これらの薬を長期的に使用することで、炎症がぶり返すのを予防しているのです。

なぜ長期的に予防する必要があるのですか?

気管支喘息の予防薬は月単位で処方されることがほとんどです。

喘息発作を繰り返してしまうと;

  • スポーツなど、学校生活に参加できなくなる
  • 学校を欠席することが増える
  • 肺や気管支が傷ついてしまう

といった問題が生じます。

これらを最大限に予防するために、発作を繰り返す場合は長期的に予防しています。

喘息発作を予防できますか?

100%の予防は難しいですが、喘息発作の可能性を減らすことはできます。ポイントとしては;

  • 処方された薬は確実に使用する
  • 喘息発作の誘因をできるだけ避ける

がポイントでしょう。発作の原因として多いのは;

  • カゼやインフルエンザなどの感染症
  • アレルゲン(ダニ、カビ、猫や犬など動物、花粉)
  • 受動喫煙
  • 季節の変わり目

があげられます。

まとめ

気管支喘息は空気の通り道に炎症が続いており、カゼなどをきっかけにして発作が起こります。

治療は、発作時と発作予防で、大きく2つの分けられます。

喘息発作の誘因を避けることで、発作のリスクを減らすことはできます。

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ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。