前回、トイレ・トレーニングについてツイート&記事を投稿したら、かなり反響が大きかったです。
昼夜ともに排便・排尿をコントロールできるのは:
◉ 2歳5%
◉ 3歳10%
◉ 4歳77%
◉ 6歳91%
です。焦らず気長にトイレ・トレーニングしていきましょう。トイレ・トレーニングとオムツが外せる時期について – ドクタ…https://t.co/fBUppcB1Ma
— Dr. KID (@Dr_KID_) 2018年6月3日
トイレ・トレーニングは保護者の方々も普遍的に悩んでいるテーマではないかと思います。
もう少し様々なデータを詳しく解説できたらと思い、何回かに分けて論文をピックアップしてみようと思います。
1977年にスイスから出された論文ですが、このトイレ・トレーニング業界では割と有名な論文で、未だによく索引されているそうです。(*著者はアメリカ人(UCLA所属))
1950〜70年代のデータですので、現在とはトイレ・トレーニングに対する考え方や環境は大きく異なりますので、その点は差し引いて読む必要があります。
一方で、トイレ・トレーニングは神経発達の一部と考えると、時間を経ても普遍的に変わらない点もあるのではと思っています。
研究の方法
今回の研究は、
- 1955年〜1976年に行われ
- 413人の健康な小児
- スイスのチューリッヒ在住
を対象に行われました。
排便・排尿のコントロールについて
排便・排尿のコントロールは;
- 0%:全くできず
- 1〜30%:3回に1回くらいはコントロール
- 30〜70%:3回に2回くらいはコントロール
- 70〜95%:たまに失敗する
- 100%:失敗なし(コントロール完了)
と分類されています。
研究結果と考察
こちらがメインの結果になります。
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数字ばかり並んでいて見づらいかもしれないので、95%以上コントロール可能になったこどもを対象に男女別に描いて見ました。
排便のコントロールについて
排便コントロールの100%コントロールできる割合は赤で囲った箇所になります。
こちらをグラフにしてみると、以下のようになります。
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1〜2歳の間は個人差が大きいですが、2歳で80%、3歳で95%が排便のコントロールが可能になっているのが分かります。
日中の排尿コントロールについて
日中の排尿コントロールは緑で囲った箇所になります。グラフにすると以下になります。
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3歳〜4歳で急に日中の排尿がコントロールできるようになるのが分かります。
3歳では20%であった排尿コントロールが、4歳時点でおそよ90%が日中の排尿がでるようになります。
夜間の排尿コントロールについて
青で囲った箇所が夜間の排尿コントロールになります。
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日中の排尿コントロールと同じような傾向にあります。
3歳までは2割前後が夜も排尿コントロールできるようになっています。しかし、4歳を越すと、85%くらいが夜間の排尿コントロールが可能になっています。
昼も夜も排尿・排便がコントロール可能
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昼も夜も排便・排尿のコントロールが可能になる年齢がこちらです。(ツイッターの記載は、こちらの統計を使用していました)
- 1歳半:2.8%
- 2歳:5.4%
- 3歳:10.9%
- 4歳:76.6%
- 5歳:85.5%
- 6歳:91.3%
となっています。
まとめ
スイスで行われた研究結果をもとに、排便・排尿が完了する時期を説明してきました。
排便がコントロールできるようになってから、日中、そして夜間の排尿がコントロール可能になる傾向にあります。
- 排便のみコントロール可:2歳で80%、3歳で95%
- 昼の排尿をコントロール可:3歳で20%、4歳で90%
- 夜の排尿をコントロール可:3歳で20%弱、4歳で85%
となっています。
排尿のコントロールに関して、3−4歳の間が大きなターニングポイントになっているようです。
4歳でも15%以上のこどもはコントロールが上手くいかないことがありますが、徐々にゆっくりと覚えていくのでしょう。
次回は、簡単な統計学的なモデルを使って、この変化を捉えてみようと思います。
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