前回、蕁麻疹と血管性浮腫の原因、分類、症状などを解説してきました。
今回は蕁麻疹・血管性浮腫の検査や治療について説明していきます。
検査について
急性蕁麻疹は原因不明のことが多く、数日〜数週間以内に軽快してしまうことが多いため、検査を必要としないことが多いです。
一方で、月単位で蕁麻疹や血管性浮腫を繰り返す場合は、検査をすることがあります。
アレルギーの検査
蕁麻疹や血管性浮腫の原因で思い当たるものがある場合(例えば薬など)、アレルギーの検査を行うことがあります。検査としては
- 皮膚の検査(プリックテスト)
- 血液検査
を使用することがああります。
小児では稀ですが、甲状腺疾患や自己免疫性疾患のため、蕁麻疹が出ることがあります。
皮膚の生検
皮膚の一部を顕微鏡でみる検査です。
通常の蕁麻疹であれば、この検査をする機会はほとんどありませんが、
- 熱が持続する
- 蕁麻疹に痛みがある
- 皮膚に色素沈着が残る
など、変わった症状がある場合に行うことがあります。
蕁麻疹・血管性浮腫の治療について
蕁麻疹や血管性浮腫の治療の基本は、
- (特定されれば)原因を避ける
- 薬を使用する(抗ヒスタミン薬)
の2点が基本となります。
原因物質を避ける
アレルギー検査などで蕁麻疹・血管性浮腫の誘因が特定できれば、原因物質を除去するように指導します。
検査をしても原因が特定できないことがありますが、原因物質を除去できなくても自然に軽快してくれることも多いです。
薬を使用する
抗ヒスタミン薬を使用して、痒みなど症状を軽快させます。
抗ヒスタミン薬の問題として、古い薬(第一世代)は副作用が強い点にあります;
- 眠気
- 口渇
- 見えづらい
- 尿が出づらい
- けいれんを誘発するかもしれない
といった副作用が報告されています。詳しくはこちらに書いています。
新しい世代の抗ヒスタミン薬は、
- ジルテック
- クラリチン
- アレグラ
などが代表的で、副作用は古い世代の薬より少なく、内服する回数も少ない傾向にあります。
ステロイドを短期的に併用することもありますが、抗ヒスタミン薬に追加して併用するメリットはあまりないかもしれません。
ステロイドは長期的に内服すると副作用のリスクがありますので、使用するとしても短期間に留めたいところです。
まとめ
蕁麻疹・血管性浮腫が長引く場合、思い当たる原因がある場合、典型的でない症状が出る場合は検査をすることがあります。
治療は主に抗ヒスタミン薬を使用します。ステロイドを併用することもありますが、有効性ははっきりしていません。