出産後5日前後で赤ちゃんと一緒に退院することが多いですが、退院直前に「赤ちゃんはどのような生活環境にしたらよいですか?」と質問を受けることがあります。
生活環境とは、具体的には
- 部屋の温度や湿度
- 騒音の対策
- 衣類(何を着せるか)
- 寝具(赤ちゃん用のベッド)
について質問されることが多いです。
特に初産の方ですと、先行きが読めず、不安になってしまうこともあるでしょう。
どのような環境がよいか、一定の目安を知ることで、安心して育児に取り組めるようになると思います。
赤ちゃんの部屋の環境について
まず、部屋の環境について説明していきましょう。
- 温度調節ができる
- 風通しがいい
- 静か
な部屋やスペースが良いでしょう。
温度調節について:新生児は体温調節が苦手
生まれてすぐの赤ちゃんは、体温調節が上手ではありません。
このため、室温を保護者側で調節する必要があります。目安としては;
- 温度は20〜25℃くらい
- 湿度は50%以上くらい
でよいでしょう。
「温度調節」と少し小難しく言いましたが、普通にエアコンで室温が調整できる部屋なら十分です。
時々、「暑さに慣れさせるため」「寒さに慣れさせるため」という理由で、エアコンを使わない方がいますが、赤ちゃんは大人より熱中症や低体温になりやすいので、無理をさせないようにしましょう。
騒音について:赤ちゃんはよく耳が聞こえている
赤ちゃんの耳は、生まれた時から、よく聞こえています。
このため、大きな音にはびっくりして目を覚まし、大泣きしてしまうことがあります。
もちろん、常識的な範囲内の通常の生活音であれば、神経質にならなくてよいと思います。
徐々に生活音にも慣れてきて、気にしなくなるでしょう。
ですので、騒音の激しい部屋でなければ、そこまで神経質にならなくてよいでしょう。
赤ちゃんの衣類について
赤ちゃんの衣類について、
- 吸湿性・吸汗性がよい
- 着せ替えしやすい
- 柔らかく、肌触りがよい
といった衣類が好まれています。
出産までに3〜4ヶ月頃までの分を用意しておき、その後に買い足していくと良いでしょう。
新生児の寝具について
日本をはじめとするアジア圏では添い寝の文化がありますが、私は基本的に添い寝は推奨していません。
過去の研究結果を統合した論文でも、添い寝は乳児突然死症候群(SIDS)の危険性が上がることが分かっています。
赤ちゃんは、赤ちゃん用のベッドで寝かせるのが安全と考えています。
- 成人用のものより固めのベッドで
- 仰向けに寝かせる
というのが、赤ちゃんの基本です。
SIDSについては、こちらに詳しく書いていますので、一読されるとよいでしょう。
特別なことをしなくても、不要なリスクを除外することで、SIDSの危険性を減らすことはできます。
まとめ
今回は赤ちゃんの生活環境について、簡単に解説してきました。
- 温度調節ができる
- うるさすぎない
- 赤ちゃん用のベッドが置ける
部屋やスペースで、育児を開始するとよいでしょう。
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