- 野菜をしっかり食べましょう
- 野菜は健康に良いです
など、野菜の摂取をするように指導される機会はそこそこあるのではないでしょうか。
確かに、野菜摂取は便秘の予防・治療にもなりますし、さらに成人期の慢性疾患の予防になるかもしれません。
小児期の野菜・果物摂取量は、成人期の摂取量と強く関連しており、幼少期から健康的な食生活を送ることのメリットを示す研究は多数報告されています。
一方で、どのくらい野菜摂取をしたら良いのかの目安をご存知ない方も多いのではないでしょうか。今回は、アメリカから報告された指標について説明しようと思います。
- 野菜や果物といった食物繊維の推奨量を紹介した論文
- 2歳以上は、年齢+5〜10g / 日が目安
- 5歳であれば、推奨摂取量は10〜15g
Pediatrics 1995l96;985-988
アメリカからの報告です。
野菜や果物摂取を増加させる栄養指導は、小児の便秘を改善させるか?
研究の背景/目的
小児期における食物繊維の摂取は,特に正常な排便促すなど健康上の利点があると考えられている。
さらに食物繊維は,心血管疾患,一部の癌,および成人期に発症する糖尿病の将リスク低下にも役立つ可能性がある。
現在,小児期の食物繊維摂取に関する具体的なガイドラインはほとんどない。
本研究の目的は,小児期における食物繊維の利点とリスクをレビューし,アメリカの小児に対して安全で効果的な推奨を提案することである。
研究の方法
米国の農務省が行なった全国食品消費量 (1987~1988) および国民健康栄養調査II (1976~1980) データを含め,小児期の食物繊維の現在の摂取量をレビューした。
現在の摂取量を,米国小児科学会栄養委員会によって「0.5 g/kg」が提案され、ガイドラインに推奨量として記載されている。
推奨摂取量は、特定の健康上の利益のために必要な量だけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性のあるレベルに関しても見直しが行われた。
研究の結果
子供の年齢,健康上の利点および安全性の懸念事項に基づいて,食物繊維摂取のための新しい推奨が開発された。
2歳以上の小児には,年齢+5 g/日に相当する最小限の食物繊維の摂取を推奨した。
小児の食物繊維の安全な摂取範囲は, 年齢+5〜10 g/日以上であることが示唆されている。
結論
この範囲の食物繊維摂取は,一部のビタミンおよびミネラルの摂取がわずかであっても安全であると考えられている。さらに,正常な下剤として十分な食物繊維を供給するはずであり,将来の慢性疾患の予防に役立つ可能性がある。
考察と感想
2歳以上が対象ですが、食物繊維の摂取量の下限と上限は以下のようになるようです:
年齢 | 下限 | 上限 |
2 | 7 | 12 |
3 | 8 | 13 |
4 | 9 | 14 |
5 | 10 | 15 |
6 | 11 | 16 |
7 | 12 | 17 |
8 | 13 | 18 |
9 | 14 | 19 |
10 | 15 | 20 |
11 | 16 | 21 |
12 | 17 | 22 |
13 | 18 | 23 |
14 | 19 | 24 |
15 | 20 | 25 |
年齢+5〜10g/日はわかりやすいですね。
まとめ
今回は、アメリカから報告された、食物繊維の推奨摂取量を紹介しました。
この報告によると、2歳以上では、[年齢+5〜10]g/日が目安のようです。5歳ですと、10〜20gが一日あたりの推奨量ということになるようですね。
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