- 1歳未満の乳児はインフルエンザやRSウイルスが重症化しやすい
ということは聞いたことがあるかもしれません。
重症化の結果、不幸なことに亡くなってしまった小児は毎年いることが予測されますが、実際にどのくらいの頻度で生じているのか検討した研究があります。
アメリカからのデータになるため、日本へそのまま一般化はできないとは思います。しかし、同じような傾向があるように感じます。
少し古めのデータですが、貴重な報告ですので参照してみましょう。
- インフルエンザとRSウイルスの死亡率を年齢別に比較した研究
- 小児では1歳未満の死亡率が高い
- 全体では65歳以降が圧倒的に死亡率が高い
研究の方法
アメリカのサーベイランスデータを使用して、年齢別の死亡率を検討しています。
データは1976〜1999で集積されています。
このデータを利用して
- インフルエンザによる死亡率
- RSウイルスによる死亡率
などを年齢別に見ています。
研究結果と考察
最終的な結果は以下の通りです
インフルエンザによる年齢別の年間死亡率
年齢 | 死亡率(/10万) |
< 1 | 2.2 |
1-4 | 1.1 |
5-49 | 1.5 |
50-64 | 12.5 |
> 65 | 132.5 |
小児でいうと1歳未満の年間死亡率が高いです。
ですが、全年齢で見ると、50歳以降、特に65歳以上の死亡率が非常に高いですね。
RSウイルスによる年齢別の年間死亡率
年齢 | 死亡率(/10万) |
< 1 | 5.4 |
1-4 | 0.9 |
5-49 | 2.6 |
50-64 | 7.8 |
> 65 | 29.6 |
RSウイルスによる年間死亡率も同じような傾向で、1歳未満で10万人あたり5.4名となっています。
50歳以降で上昇し、65歳以上で29.6まで上昇していますね。
感想と考察
1歳未満において、インフルとRSウイルスによる死亡率は10万人あたり2.2と5.4と他の小児より高い値でした。例えば1-4歳をreferenceにすると、1歳未満の死亡率はインフルは2倍、RSは6倍ということになります。
おそらく日本でも同じような傾向になるとは思いますが、医療へのアクセスであったり、入院の適応であったり、色々と国で異なるので、死亡率自体は少し違う値ではないかと思います。根拠はないですが、おそらく日本の方が死亡率はもう少し低いのではないかと。
まとめ
アメリカにおけるインフルエンザとRSウイルスの死亡率を年齢別に比較した研究でした。
小児においては1歳未満が重症化しやすい傾向にありました。
一方で、重症化して死亡する割合は、成人、特に高齢者の方が圧倒的に高いです。
- インフルエンザとRSウイルスの死亡率を年齢別に比較した研究
- 小児では1歳未満の死亡率が高い
- 全体では65歳以降が圧倒的に死亡率が高い
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