今回の研究は、ニカラグア🇳🇮で行われた、インフルエンザ迅速検査の感度・特異度を検証したものです。
迅速検査は特別なラボ(研究室)がなくても実施できるのが利点で、アメリカの研究者がニカラグアまで行って、今回の研究を行なったようです。インフルエンザ迅速検査を広く実施するためには、妥当性の検証が必要であるため、今回の研究が行われたのでしょう。
ポイント
- ニカラグアの2〜13歳を対象に行われた研究
- インフルエンザ迅速検査の感度は、2−3日目が高い
- 特異度は、どの日でもそれほど変わらず90%台後半
マミー
早く受診しすぎると、検査の精度が落ちるのですか?
Dr.KID
インフルエンザが発症してすぐだと、鼻腔内のウイルス量が十分でないことがあります。
研究の方法
対象となったのは、
- 2-13歳の小児
- 発熱+感冒症状で受診
などが該当しています。
検査について
検査は、
- 迅速検査:QuickVue
- RT-PCR
の両者を使用して、感度・特異度、陽性的中率・陰性的中率を検証しています。
Dr.KID
妥当性を検証した研究ですね。
研究結果と考察
最終的に1157名のサンプルが対象となりました。
検査のタイミングによって、感度・特異度が変化する様子を捉えています。
発熱 or 発熱の病歴 + 風邪症状
外来で発熱がある or 「さっきまで発熱があった」人+風邪症状を対象にしています。
Day | 陽性 | 感度 | 特異度 |
1 | 79/263 | 51.9% | 98.4% |
2 | 189/578 | 75.1% | 97.9% |
3 | 66/211 | 74.2% | 97.9% |
4 | 19/90 | 57.9% | 98.6% |
感度は2日目がピークでした。特異度は、常に非常に高いですね。
37.8度以上の発熱
熱が37.8度以上ある小児に限定しています:
Day | 陽性 | 感度 | 特異度 |
1 | 62/182 | 59.7% | 97.5% |
2 | 147/284 | 76.9% | 98.5% |
3 | 39/78 | 79.5% | 97.4% |
4 | 11/26 | 54.5% | 100% |
外来受診時に37.8度以上の発熱患者飲みにしてみると、少し感度が上がっています。ks感度のピークは2−3日目でしたね。
初日は低めの傾向でした。
感想と考察
今回の研究でも、感度は2日目が高そうな印象でした。
感度が低いと、「検査は陰性と出たけど、本当にインフルじゃないか分からない」という状況が生まれてしまいます。このため、検査のタイミングにこだわる医療機関があるのだと思います。
Dr.KID
発熱して、けいれんした、呼吸が苦しそう、などの全身の状態が悪い時は、検査のタイミングとは無関係に医療機関に受診してくださいね。
まとめ
今回の研究は、ニカラグアで行われたものですが、発熱して2−3日目は感度が高く、初日と4日目は低い傾向にありました。
マミー
?
Dr.KID
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まとめ
- ニカラグアの2〜13歳を対象に行われた研究
- インフルエンザ迅速検査の感度は、2−3日目が高い
- 特異度は、どの日でもそれほど変わらず90%台後半
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