科学的根拠のある子育て・育児

インフルエンザ迅速検査の感度・特異度はタイミングで変わる?[ギリシャ・2010]

インフルエンザ迅速検査は小児科外来でもよく使用されますが、利点として

  •  診断の精度が上がる
  •  抗インフルエンザ薬の投与判断の1つになる

が挙げられます。

迅速検査を使用することで、どのくらい感度・特異度が上昇するか、複数の研究が行われているようなので、今回もご紹介させていただければと思います。

ポイント

  •  ギリシャで行われた研究
  •  迅速検査は、発症後2日以内の方が感度は高い
マミー
マミー
今回はギリシャの研究なんですね?

Dr.KID
Dr.KID
いろんな国で行われているようですね。

 

参考文献

Stripeli, et al. Performance of rapid influenza testing in hospitalized children. Eur J Clin microbiol Infect Dis. 2010;29:683-688.

研究の方法

今回の研究は、2005年にギリシャで行われた研究のようです。

対象となったのは、

  •   研究に行われた病院に発熱で受診
  •   6ヶ月〜14歳

などが該当しています。

検査について

検査は、

  •  迅速検査:QuickVue test
  •  RT-PCR

の両方を使用して、迅速検査の妥当性を評価しています。

Dr.KID
Dr.KID
ギリシャも「QuickVue Test」を使用してるのか〜

研究結果と考察

最終的に217名のデータが研究対象になっています。

 感度と特異度の推移

時間 N/ Flu(+) 感度 特異度
< 2日 57/12 76% 100%
2日〜 146/26 65% 94%
全体 217/40 67.5% 96%

発症2日以内の方が、感度はやや高い値で、70%台中盤ですね。

一方で、2日以上、時間が経過してしまうと、65%にまで感度が落ちています。

 感想と考察

2日でダイコトマイズしているため、感度の推移は非常にラフなものになっていますね。

おそらく初日はもうちょっと低いでしょうし、3日目は見た目より高いのではと予想しています。

Dr.KID
Dr.KID
サンプル数が少ないので、2日より前・後でしか検討できなかったのかもしれないですね。

まとめ

今回の研究では、インフルエンザの迅速検査は、2日以内に行うと感度は76%、2日以降だと65%でした。

検査の精度を上げるには、検査するタイミングも重要です。

マミー
マミー
発熱して1日くらい経過してからが良いのですか?

Dr.KID
Dr.KID
お子さんの全身状態が良ければ、2日目の受診がいいかもですね。

まとめ

  •  ギリシャで行われた研究
  •  迅速検査は、発症後2日以内の方が感度は高い

 

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Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。