今回は、乗り物いに対して、抗ヒスタミン薬やプラセボと比較して、生姜(ショウガ)は有効かを検証したRCTの紹介です。
- 二重盲検無作為プラセボ試験において、生姜根(Zingiber officinale)の粉末の船酔いに対する効果が検証
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プラセボと比較した場合、ショウガ根は嘔吐と冷汗といった乗り物酔いの症状を予防する効果があった
Grøntved A, Brask T, Kambskard J, Hentzer E. Ginger root against seasickness. A controlled trial on the open sea. Acta Otolaryngol. 1988 Jan-Feb;105(1-2):45-9. doi: 10.3109/00016488809119444. PMID: 3277342.
1988年にデンマークから公表されたようです。
船酔いに対するショウガ根:海での比較試験[デンマーク編]
研究の背景/目的
二重盲検無作為プラセボ試験において、生姜根(Zingiber officinale)の粉末の船酔いに対する効果が検証された。
研究の方法
大海原での航海に不慣れな80名の海軍士官候補生が、公海上での航海中に、1時間ごとに船酔いの症状を報告し、1gの薬剤またはプラセボを摂取した後、連続4時間にわたって船酔いの症状を報告した。
研究の結果
ショウガ根は、プラセボに比べ、嘔吐と冷汗の傾向を有意に抑制した(p<0.05)。
嘔吐に関しては、保護指数(PI)*=72%が算出された。
*([プラセボのスコア – ショウガ根のスコア]/プラセボのスコア)x100
ショウガの根の摂取後、吐き気とめまいの症状が著しく少ないと報告されたが、その差は統計的に有意ではなかった。
すべての症状カテゴリーについて、PI = 38% が算出されました。
結論
ショウガ根(Z. officinal)の粉末はプラセボよりも乗り物酔いの軽減に優れていた。
考察と感想
「めまい、吐き気、冷や汗、嘔吐」は、乗り物酔いでよく知られている症状です。これらの運動誘発性の神経・感覚症状は、人が経験によって期待されるものと、前庭・視覚からの信号とのミスマッチの結果であると考えられているようです。
今回は、症状をスコア化して報告されていましたが、
- 吐き気 0〜3点
- めまい 0〜3点
- 嘔吐 0〜2点
- 冷汗 0〜1点
の合計点のようで、これを4時間計測したようです。
まとめ
二重盲検無作為プラセボ試験において、生姜根(Zingiber officinale)の粉末の船酔いに対する効果が検証されました。
プラセボと比較した場合、ショウガ根は嘔吐と冷汗といった乗り物酔いの症状を予防する効果があったようです。
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