今回は、エジプトから報告された、手洗いの感染症予防効果を検証した研究をみていきましょう。
先にこの研究の結論とポイントから述べましょう。
- 1日最低2回の手洗いと学校での感染症予防効果を検証
- 感染症の発生率が低下した
アルコール手指消毒剤が感染症の予防効果にどのくらいあるか検証した研究はたくさんあります。
研究の概要
目的
インフルエンザ様疾患(ILI)、下痢、結膜炎、および検査で確定したインフルエンザなどによる欠席を減少させるために、集中的な手指衛生キャンペーンに有効性があるか評価した。
方法
エジプトのカイロにおいて、60の小学校を対象にクラスター・ランダム化比較試験を実施した。
介入の対象となった学校に通う子供は、毎日2回手を洗うことを義務付けられたのと、エンターテイメントの活動を通して健康に関するメッセージが提供された。
学生の欠席と病気の理由に関するデータを収集し、さらに学校看護師はインフルエンザ様症状のある学生から、鼻咽頭ぬぐい液を採取し、インフルエンザAとBの定性診断試験を用いて検査した。
結果
コントロール群の結果と比較して、介入群の欠席率は以下のように低下した:
- インフルエンザ様疾患:40%↓
- 下痢:30%↓
- 結膜炎:67%↓
- インフルエンザ(検査陽性):50%↓
結論
集中的な手指衛生キャンペーンによって、様々な感染症による欠席を減らすのに有効でした。
感想と考察
最低1日2回手洗いさせる方法は他の研究と異なりユニークだと思いました。
まとめ
学校において、アルコール手指消毒剤の使用を推奨したところ、インフルエンザ様疾患や急性胃腸炎、結膜炎のリスクが大きく下がったようです。
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