今回は、軽症頭部外傷と頭部CTに関してです。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:軽症頭部外傷と頭部CTに関して
- 軽症か否かを見極めて、ルーチンでの検査を控える
American Association of NeurosurgeonからのChoosing Wisely
軽症頭部外傷の小児に対して、ルーチンでCTスキャンをしない[Choosing wisely]
Don’t routinely obtain CT scanning of children with mild head injuries.
A mild traumatic brain injury is a temporary loss of neurologic function resulting from a blunt blow to the head or an acceleration/deceleration injury. There are predictors that a more severe injury has occurred and CT scanning may be appropriate. In patients younger than age two, a persistent altered mental status, non-frontal scalp hematoma, loss of consciousness for five seconds or more, severe injury mechanism, palpable skull fracture or not acting normally according to the parent may be signs of a more serious injury. In patients older than two, prolonged abnormal mental status, any loss of consciousness, history of vomiting, severe injury mechanism, clinical signs of basilar skull fracture or severe headache may also necessitate CT imaging. Any patient with a traumatic injury to the head that has any neurologic deficits should also be imaged if no other cause can be determined.
軽症頭部外傷の小児に対して、ルーチンでCTスキャンをしない。
軽度の外傷性脳損傷とは、頭部への鈍的な打撃や加速/減速による損傷に起因する一時的な神経学的機能の喪失です。
より重度の損傷が発生していることを予測する因子があり、CTスキャンが適切な場合があります。
2歳未満の患者では、
- 持続的な意識状態の変化
- 非前頭部頭皮血腫
- 5秒以上の意識喪失
- 重度の損傷機序
- 触知可能な頭蓋骨骨骨折
- 親の言うとおりに正常に行動しない
などが、重篤な損傷の徴候である可能性があります。
2歳以上の患者では、
- 長期にわたる意識状態の異常
- 意識消失
- 嘔吐の既往
- 重度の外傷機序
- 頭蓋底骨骨折の臨床徴候
- 重度の頭痛
などが、CT撮影を必要とする場合があります。
頭部に外傷を受けた患者で、神経学的欠損を有するものは、他の原因が特定できない場合には、画像化する必要があります。
考察と感想
軽症の頭部外傷では、重大な頭蓋内出血のリスクは低いので、基本的にはCT検査は行わなくても良いとされています。
CT検査には放射線に被曝するのと、小さなお子さんの場合は動かないように場合によっては鎮静が必要となることもあります。
こういったデメリットもあるため、軽症では基本的には必要ないという方針になっています。
まとめ
今回は、軽症頭部外傷とCTに関してご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
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