今回は、乗り物酔いに対して、繰り返し曝露で軽快するのか、繰り返し曝露の場合は時間間隔は重要かを検討した研究です。
- 乗り物酔いの症状を軽減させるのは、繰り返し曝露の回数が重要なのか、時間間隔が重要なのかを検討した研究
- 毎日〜1週間に1回の異なる間隔でしたが、大体同じ傾向が認められた
- 時間間隔によらず、繰り返し曝露することが影響
Characteristics of habituation to motion in a virtual environment. Displays 2008;29:117-23.
2008年にUKから公表されたようです。
繰り返し曝露することで、乗り物酔いは軽快する?[UK編]
研究の背景/目的
仮想環境(レーシングゲームなど)への没入は、乗り物酔いに似た症状を引き起こすことが知られています。
このような症状は、繰り返し浸ることで、一般的に有病率や重症度が軽減すると考えられています。
研究の方法
この乗り物酔いへの「慣れ」を定量化することを目的として、70人の被験者にそれぞれ10回ずつゲームに没入させました。
- 毎日:10人
- 2日に1回:10人
- 3日に1回:10人
- 4日に1回:10人
- 5日に1回:10人
- 6日に1回:10人
- 7日に1回:10人
の頻度で実施しました。
参加者は,ヘッドマウントディスプレイを介してPCのレースゲームを20分間プレイしました。
参加者は,曝露の前後に様々な乗り物酔いの症状を評価し,また,ゲーム中に1分間隔で倦怠感を評価した。
研究の結果
10回の試行を終えた後、すべての被験者が、症状の有病率と重症度の顕著な減少を報告した。
結論
このように乗り物酔いへ慣れは,曝露の時間間隔に関係なく,すべての参加者グループで同じような性質のものであり,曝露時間間隔よりも曝露回数のほうが重要な要因であることが示された。
考察と感想
乗り物酔いへの「慣れ」は、短期間に繰り返したほうが改善しそうな印象でしたが、どうやらそうではなく、時間感覚というより回数のほうが重要なようです。
今回の研究では毎日〜1週間に1回の異なる間隔でしたが、大体同じ傾向が認められており、時間感覚によらず、繰り返し曝露することで軽快したようです。
まとめ
乗り物酔いの症状を軽減させるのは、繰り返し曝露の回数が重要なのか、時間間隔が重要なのかを検討した研究でした。
毎日〜1週間に1回の異なる間隔でしたが、大体同じ傾向が認められており、時間感覚によらず、繰り返し曝露することで軽快したようです。
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