今回はロペラミドを含む薬の解説をしていこうと思います(推奨ではありません)。
- 「下痢止めをください」
- 「下痢が続いていて、なんとかしてください」
と外来でお願いされることもあります。急性胃腸炎をはじめとした消化管感染症は小児では非常に多く、下痢が続くとお尻の皮膚が荒れたり、食欲が落ちたり、腹痛を訴えたりと様々な症状も合併するため、「下痢をなんとかしてほしい」と外来でおっしゃるお気持ちも分かります。
私個人としては、小児の下痢症にプロバイオティクスをはじめとした整腸剤を処方することはありますが、下痢止めは基本的にはお勧めしません。
理由に関しては、次回以降に詳しく説明していきますが、有効性が不確かなのと、副作用の懸念があるからです。
下痢止めというと、ロペラミド(ロペミン®︎)が外来でよく処方されているかもしれません。ひょっとしたら聞いたことがある保護者の方々もいるかもしれません。
今回はロペラミドを含む製品に関して解説していきます。有効性に関する論文については、次回以降に解説していきます。
ロペラミドの作用機序
ロペラミドは非麻薬性合成アヘン様化合物です。オピオイド受容体に結合して、腸管の蠕動運動と消化液の分泌を抑制する作用があります。
様々な下痢に使用されているケースがありますが、
- 抗菌薬に起因する偽膜性腸炎
- 細菌性下痢
には禁忌(使用してはならない)とされています。
ロペラミドを含む薬の名前
ここからは処方薬と市販薬に分けて説明していきます。
ロペラミドを含む処方薬
ロペラミドを含む処方薬ですが、商品名としては
- ロペミン®︎
- カグダリン®︎
- ロスポリア錠®︎
- ロペカルド®︎
- ロペナ®︎
- ロペラミド塩酸塩®︎
- ロペラミド錠®︎
などがあります。
ロペラミドを含む市販薬
ロペラミドを含む市販薬の名前は以下の通りとなります
製品名 | 年齢 |
イノック下痢止め | 15歳以上 |
ダルテノン | 15歳以上 |
トメダイン | 15歳以上 |
ピシャット | 15歳以上 |
ピタリット | 15歳以上 |
ロペラマックサット | 15歳以上 |
まとめ
ロペラミドを含む製品は処方薬がほとんどでした。
ロペラミドを含む止瀉薬は基本的には小児の下痢で使用すべきではないと考えていますが、理由と根拠に関しては、次回以降の記事で説明していければと思います。