麻疹は感染症の中でも高い感染力を持つことで知られ、多くの国でワクチン接種が推奨されています。一方で、ワクチンの接種が十分に行われていない集団や地域が存在すると、局所的なアウトブレイクのリスクが高まります。
2014年に韓国・ソウルの大学で発生した麻疹のアウトブレイクは、そのような事例として注目されるものであり、ワクチンの効果やアウトブレイクへの対応がどのように行われたのか、詳しく調査された結果が報告されています。
Choe YJ, Park YJ, Kim JW, Eom HE, Park O, Oh MD, Lee JK. An Outbreak of Measles in a University in Korea, 2014. J Korean Med Sci. 2017 Nov;32(11):1876-1878. doi: 10.3346/jkms.2017.32.11.1876. PMID: 28960044; PMCID: PMC5639072.
2014年の大学生での麻疹のアウトブレーク[韓国編]
研究の背景/目的
2006年以降、麻疹は韓国から撲滅されたと宣言されています。
しかし、2014年4月にソウルのある大学で麻疹のアウトブレイクが発生しました。
研究の方法
総計で85の麻疹の症例が確認されました。麻疹ワクチンの効果を評価するため、大学生のワクチン接種の記録を調査しました。
研究の結果
麻疹を含むワクチンの2回の接種のワクチンの効果は60.0%(95% CI、38.2-74.1; P < 0.05)でした。アウトブレイク対応の予防接種導入後、伝播は中断しました。
結論
このアウトブレイクは、コミュニティでの2回のワクチン接種のカバレッジが高いにもかかわらず、大学生の間に免疫が不十分な部分が存在し、病気の伝播を容易にした可能性があることを示しています。
考察と感想
以下のような分布だったようです
予防接種 | あり | なし |
麻疹あり | 52 | 33 |
人数 | 11,448 (0.5%) |
3,017 (1.1%) |
この研究では、VEは60.0%(95% CI、38.2-74.1)であると推定されました。
既存の麻疹ワクチンより有効性が低く推定されている点が気になりましたが、接種から時間がたっているのと、感染者の割合が低いせいなのかもしれないと思いました。
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