麻疹は世界中での主要な公衆衛生上の問題として存在し続けています。特に未接種の集団では、感染が広がるリスクが高まります。教育施設は、密接な人間関係と高い人口密度のため、疾患の伝播に対して特に脆弱です。
Irene Barrabeig氏らの最新の研究は、教育施設における麻疹ワクチンの感染後の予防処置としての有効性を調査しています。この研究は、感染期間中に確認された症例と同じ教室を共有する子供たちを対象とし、ワクチンの有効性とそのタイミングに焦点を当てています。
Barrabeig I, Rovira A, Rius C, Muñoz P, Soldevila N, Batalla J, Domínguez A. Effectiveness of measles vaccination for control of exposed children. Pediatr Infect Dis J. 2011 Jan;30(1):78-80. doi: 10.1097/INF.0b013e3181f7001c. PMID: 20844460.
感染後の予防処置としての麻疹ワクチンの有効性:教育施設での調査
研究の背景/目的
教育施設での感染後の予防処置としての麻疹ワクチンの有効性について調査が行われました。
研究の方法
感染期間中に10人の確認された症例と教室を共有した合計166人の子供が調査されました。
研究の結果
感染リスクのある子供の合計のうち、72%(75人中54人)がワクチン接種を受け、25人が麻疹に感染しました。感染後72時間以内にワクチン接種を受けた子供におけるワクチンの有効性は90.5%(95%信頼区間、34%-99%)でした。
結論
麻疹ワクチンは、教育施設での感染後の予防処置として非常に有効であることが示されました。
考察と感想
2010年にヨーロッパ地域での麻疹の撲滅を目指していたにもかかわらず、2005年から2008年の間に120のアウトブレイクが報告され、そのうち17のアウトブレイクで250件以上の症例があり、25人が死亡しました。
麻疹への曝露後72時間以内にワクチン接種すると、学校や保育園での麻疹のアウトブレイクの管理のための最良の対策とされています。しかし、この推奨が基づいている研究は古く、再現が難しいものです。最近の研究では、72時間以内にMMRワクチンを接種しても新しい症例の出現を避けることができないという報告もあったようです(Pediatr Infect Dis J. 1991;10:883-8. Lancet. 2004;363:569-70. )。*後者のLancetの論文を確認しましたが、症例報告のようです。前者は後日、確認します。
スペイン北東部のカタロニア地域では、2006年8月から2007年6月にかけて麻疹のアウトブレイクが発生し、15ヶ月未満の乳児を中心に381件の症例が報告されました。当時のワクチン接種のスケジュールでは、2回のワクチンを15ヶ月と4歳で接種することとされていたようです。
曝露後72時間以内にワクチンを受けた子供の中では、未接種の子供と比較してVEは90.5%(95% CI、34%–99%);曝露から4〜5日の間にワクチンを受けた子供では、ワクチンの効果は確認されず(VE、54%;95% CI、0%–81%)、6〜7日の間でも効果は確認されなかった(VE、42%;95% CI、0%–73%)
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