スクリーンタイム(テレビなどの画面の視聴時間)について、18〜24ヶ月未満の乳幼児は、基本的に設けないことが推奨されています。なた、2〜5歳に関しては、1時間未満が良いとされています。
今回の研究では、保護者が食事中にモバイル機器をどのくらい使用しているのか、。
- アメリカの都市にあるファーストフード店で行われた観察研究で、保護者のモバイル端末の使用と子供との関係性を記録しています。
- 8割ほどの保護者はモバイル端末を使用しており、場合によっては食事や子供よりスクリーンに没頭してしまっているケースもあったようです。
スクリーンタイムは、米国小児科学会は2016年の改訂で、2歳未満は0時間(みせないこと)、2〜5歳は1時間までを推奨しています。テレビなどを観る際も、保護者と一緒にみることを推奨しています。
オーストラリアも似たような方針を出しています。
研究の概要
背景・目的:
モバイル機器はアメリカの生活のユビキタスな部分であるが、どのように家族がこの技術を使用するかは研究されていない。
著者らは、モバイル機器使用の自然なパターンを記述し、保護者と子どもの相互作用に及ぼす影響について仮説を立てることを目的に研究が行われた。
方法
非参加型の観察法を用いて、とある都市のファーストフード店で1人以上の幼児と食事をする55人の保護者を観察した。
観察者は詳細なフィールドノートを書き、食事中のモバイルデバイスの使用と、子供と保護者の行動のすべての側面を継続的に記述した。
フィールドノートをグラウンデッド・セオリー法を用いて定性的分析し、デバイス使用の共通テーマを特定した。
結果:
40名の保護者が食事中にモバイル機器を使用した。
モバイル機器の使用と保護者-子供の相互作用に顕著な主要テーマは、保護者がモバイル機器の使用に没頭する程度であった。
没頭する程度は、食事中に子供ではなくデバイスとどの程度関与しているかを概念化しています。
さらに、これはデバイス使用の頻度、期間および様式によって決定されています。
小児の保護者への反応は、自分自身を楽しませることから、保護者から注目を集めるための方法の増加に至るまで、記録された。
さらに、モバイル機器を別々に使うのか共有するのかも記録しています。
モバイル機器に没頭する保護者は、しばしば子供のよくない行動に対して、厳しい反応を示す傾向がみられました。
結論
著者らは、モバイル機器への様々な程度の熱中を特徴づけて、そのパターンを記録した。
これらのテーマは、器具の使用と子供の転帰を調査する定量的研究におけるコード化スキームの基礎として使用される可能性がある。
考察と感想
この論文はPediatricsという小児科系のトップジャーナルに掲載されていますが、少し疑問を感じてしまいました。
例えば、アメリカの都市にあるファーストフード店の1つで行われた、単なる記述研究で、Nも50ほどです。
一方で、こうした記述研究から、今後の研究仮説に役立てるという意味では重要と思います。
まとめ
今回は、アメリカの都市にあるファーストフード店で行われた観察研究で、保護者のモバイル端末の使用と子供との関係性を記録しています。
8割ほどの保護者はモバイル端末を使用しており、場合によっては食事や子供よりスクリーンに没頭してしまっているケースもあったようです。
乳幼児のスクリーンタイムの考え方をまとめたnoteはこちらになります↓↓
Dr. KIDが執筆した医学書:
小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
(2024/12/21 02:10:50時点 Amazon調べ-詳細)
小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
小児の抗菌薬のエビデンス
こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。
日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
Noteもやっています
当ブログの注意点について