今回は、小児のネブライザーの使い方に関してです。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:小児のネブライザーの使い方
- 顔にきちんと固定する
American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely
ネブライザーで吸入するときは、マスクをきちんと顔に固定する[Choosing wisely]
Avoid administering nebulized medications by “blow by,” or placing the mask or nebulizer tubing near the child’s nose and mouth rather than securing the mask properly to the face. A t-piece with mouthpiece or face mask should be used instead.
There are many different formulations of asthma medications for pediatric patients. Accurate delivery of each medication to a pediatric patient is extremely important. There is a high rate of error by caregivers and, unfortunately, by health care workers in health care settings. Small children and infants are especially challenging. During a nebulizer treatment, a well-fitting, properly-placed mask to the face is required in a quietly breathing, younger patient who is not crying. An older cooperative child may use a t-piece with mouthpiece. If the drug being delivered can be converted to an inhaler, administered using a valved holding chamber with a face mask, this change should be considered. Finally, it is important to note that, if treatment failure is occurring with a nebulized inhaled steroid, it could be secondary to the family administering the medication using the “blow by” method by placing the mask or nebulizer tubing near the child’s nose and mouth rather than securing the mask properly to the face. Studies have shown that there is a 40% to 85% decrease in aerosol delivery when a mask is held 2 centimeters away from a child’s face while giving a nebulizer treatment.
マスクを顔にきちんと固定するのではなく、マスクやネブライザーのチューブを子どもの鼻や口の近くに置く「ブローバイ」によるネブライザーの投与は避けてください。マウスピース付きのTピースやフェイスマスクを使用してください。
小児用の喘息治療薬には、さまざまな処方があります。小児患者に各薬剤を正確に投与することは非常に重要です。医療現場では、介護者や、残念ながら医療従事者によるミスが多発しています。小さな子供や乳児は特に困難です。
ネブライザー治療の際、泣いていない静かに呼吸している低年齢の患者には、顔によくフィットした適切な位置のマスクが必要です。協力的な年長児には、マウスピース付きのTピースを使用するとよいでしょう。
投与する薬剤を吸入器に変更し、フェイスマスク付きのバルブ付きホールディングチャンバーを使用して投与できるのであれば、この変更を検討すべきです。
最後に、ネブライザーによる吸入ステロイドの治療がうまくいかないのは、家族がマスクを顔にきちんと固定せず、マスクやネブライザーのチューブを子どもの鼻や口に近づけて「ブローバイ」方式で投薬していることが原因である可能性があることに注意してください。研究によると、ネブライザー治療を行う際にマスクを子供の顔から2cm離すと、エアロゾルの放出量が40%から85%減少することがわかっています。
考察と感想
小児のネブライザーの使い方に関してでした。
これは難しい課題ですね。本人は嫌がってマスクから顔を避けてしまいますし、一方で、きちんとフィットしていないと、ほとんど吸えていないケースもあると思います。
参考文献も読んでみようと思います:
Geller D. Comparing clinical features of the nebulizer, metered-dose inhaler, and dry powder inhaler. Respir Care. 2005;50(10):1313-1321.
Geller D. Aerosol delivery of medication. In: Light M, ed. Pediatric Pulmonology. Elk Grove Village, IL: American Academy of Pediatrics; 2011:916-917.
Rubin B. Nebulizer therapy for children: the device-patient interface. Respir Care. 2002;47(11):1314-1319.
Rubin B. Bye-bye, blow by. Respir Care. 2007;52(8):981.
まとめ
今回は、疑わしい病歴のない小児の術前の凝固能検査に関するchoosing wiselyをご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
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Dr. KIDの執筆した書籍・Note
医学書:小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
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小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
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日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
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