スクリーンタイム(テレビなどの画面の視聴時間)について、18〜24ヶ月未満の乳幼児は、基本的に設けないことが推奨されています。なた、2〜5歳に関しては、1時間未満が良いとされています。
今回の研究では、どのような家庭で、テレビ視聴時間が長い傾向にあるのかを調査しています。
- アメリカで行なわれた研究
- テレビの視聴時間の予測因子を検討
- 保護者側は低学歴や肥満、子供側は活動性が高い・癇癪を起こしやすい、といった特徴があった。
スクリーンタイムは、米国小児科学会は2016年の改訂で、2歳未満は0時間(みせないこと)、2〜5歳は1時間までを推奨しています。テレビなどを観る際も、保護者と一緒にみることを推奨しています。
オーストラリアも似たような方針を出しています。
研究の概要
背景・目的:
この研究では、生後18か月間のテレビ (TV) と関連した行動・発達を検討し、乳児と母親におけるTV曝露の予想因子を同定した。
方法:
「乳児医療と肥満リスクの関する研究」に参加した217組のアフリカ系アメリカ人の母親と乳児が対象となった。
長期TV曝露、母親の社会・人口統計学的および乳児の気質データを用いて分析された。
乳児の性別と来院のタイミングでの反復測定を調整し、ロジスティックモデルと順序回帰モデルを用いて、 TV曝露の母親と乳児の予測因子を評価した。さらに、母親と乳児の両方の危険因子を有する乳児がより有害なTV曝露の高いオッズを有するかどうかを検証した。
結果:
生後3か月の幼児は1日平均2.6時間のTVおよび/またはビデオに曝露されていた。
さらに、生後12か月までに幼児の約40%が1日3時間以上のTVに曝露されていた。
母親のテレビ視聴と母親の肥満および乳児の活動性、騒々しさ、および泣き声は、乳児の後のテレビ曝露と関連していた。
一方で、母親の教育と乳児の活動性は、食事中にテレビ視聴と関連していた。
より活動的またはうるさいと認識された幼児は、よりTV曝露が多い傾向を示していた。特に、幼児の母親がTV暴露の危険因子を有する場合、この傾向は顕著であった。
結論:
TV曝露およびその生物学的および行動的後遺症を形成する特徴を理解することは、早期介入にとって重要である。
幼児の気質を母親が認識することは、 TV曝露と関係している。さらに、初期のTVを制限することを目的として、幼児の気質の測定をするべきと示唆されている。
考察と感想
Pediatricsに掲載されている論文ですが、少しわかりづらい内容でしたね。
端的にいうと、子供や母親の特徴と、テレビの視聴時間に関連性があるのかをみています。
結果としては、母親の肥満や学歴が低い場合は、こどものテレビの視聴時間が長い傾向にありました。また、子供の活動性が高かったり、癇癪(かんしゃく)を起こしやすいと、テレビの視聴時間が長い傾向にあったようです。
結果自体は、アメリカの低所得者を対象としてもので、日本においてどこまで普遍性があるかはやや疑問です。
まとめ
今回は、アメリカの低所得者を対象に行なわれた研究で、テレビの長時間視聴と関連する母親・こどもの因子を検討しています。
母親の肥満や低学歴、子供の活動性が高い・癇癪を起こしやすいと、テレビの視聴時間が長い傾向にあったようです。
乳幼児のスクリーンタイムの考え方をまとめたnoteはこちらになります↓↓
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