科学的根拠

小児の下痢によく処方される整腸剤について

  •  「お腹の調子を整える薬を出しておきますね」

と外来で医師から説明され、整腸剤が処方されることがあるかもしれません。あるいは、

  •  「下痢に効くお薬をください」

とお願いをして、医師が整腸剤を出すこともあるでしょう。

今回はお腹の調子を崩した時によく処方される整腸剤について簡単に説明していこうと思います。

整腸剤について

下痢の時に処方される整腸剤ですが、活性生菌製剤や乳酸菌製剤などと呼ばれることもあります。

乳酸菌など、いわゆる「善玉菌」を摂取することで、

  •  乳酸が生じて腸内が酸性になる
  •  病原体の増殖を阻止する
  •  アンモニアの産生や吸収を抑制する

などの効果があり、腸内常在菌で腸内環境を整える効果があると考えられています。

整腸剤の処方薬について

処方薬として登場する整腸剤について簡単にリスト化しておきましょう。

菌株など 薬剤名
ビフィズス菌
ラクトミン
ビオフェルミン®︎
アタバニン®︎
ビオラクト®︎
ラクトミン®︎
ラックビー®︎
ビオスミン®︎
レベニンS®︎
酪酸菌 ミヤBM®︎
ビオスリー®︎
カゼイ菌 ビオラクチス®︎
耐性乳酸菌 ビオフェルミンR®︎
ラックビーR®︎
エンテロノンR®︎
レベニン®︎

聞き覚えのある薬剤名が多いかもしれないですね。

整腸剤の市販薬

市販薬でもこども用の整腸剤は販売されているようですね。

商品名 内容
新宇津
こども下痢止め®︎
ラクトミン
タンニン酸ベルベリン
ロートエキス
宇津
こども整腸薬TP®︎
乳酸菌
酪酸菌
糖化菌
宇津
こども整腸薬
乳酸菌
酪酸菌
新ミヤリサン
アイジ整腸薬
宮入菌
リボフラビン(Vit.B2)
ピリドキシン(Vit.B6)

こちらのリンクで検索できます。

購入時のポイントですが、外来で処方する整腸剤は、

  •  乳酸菌
  •  酪酸菌
  •  宮入菌

などの活性生菌が入っていますので、購入前に確認してみると良いでしょう。

一方で、止瀉薬(下痢止め)の成分が入っている商品は避けた方が良いと思います。例えば、

  •  タンニン酸アルブミン
  •  次硝酸ビスマス
  •  天然ケイ酸アルミニウム
  •  ベルベリン
  •  ロペラミド

などは小児の下痢ではお勧めできないです。(理由は後日、ブログ記事にします)

まとめ

今回は外来でよく処方される整腸剤、購入可能な市販薬について簡単に説明してきました。

乳酸菌や宮入菌、酪酸菌など活性生菌製剤は比較的安全に利用できると思いますが、特に市販薬では余分な下痢止め成分が入っていることがあるため、注意が必要でしょう。

乳酸菌や宮入菌、酪酸菌など活性生菌製剤は明日以降のブログで説明していきます。

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。